StructViewの使い方

[概要]
 StructViewは
OpenGLを使って、ICSD、CIFなどのデータベースファイルから即座にBall&Stickの結晶構造モデルを作成します。Rietan2000のVICSほどの高機能はありません。一般的にはCRietan2000と併用します。

[主な機能]
 ・読み込めるファイルタイプ
   
Rietan2000のins fileとlst file、 ICSD のtxt file、CIF fileの3つだけ
 ・画像出力ファイルタイプ
   BMP file 形式とClip Boardへのコピーだけ
 ・構造表示タイプ
   Wireframe type、Ball & Stick type、Capped Sticks typeの3つだけ
 もっと沢山のファイルの読み込みや出力の種類を増やしたいのですが、とりあえずこれだけです。

[コマンドの説明]
   [File]->[Data Open] : ファイルのオープン          
   [File]->[Save as Fraphic File] : bmp形式のファイルの保存
   [File]->[Copy to Clipboard] : クリップボードへのコピー
   [File]->[Default View] : default設定での表示
   [Mode]->[Wireframe] : Wireframe表示
   [Mode]->[Ball & Stick] : Ball & Stick表示
   [Mode]->[Capped Sticks] : Capped Sticks表示
   [Mode]->[Projection c Axis] : c軸投影
   [Mode]->[Projection a Axis] : a軸投影
   [Mode]->[Projection b Axis] : b軸投影
   [Show Items]->[Atoms in Unit Cell] : Unit Cell内の全原子の表示のon/off
   [Show Items]->[Atom Name] : 原子名の表示のon/off
   [Show Items]->[Unit Cell Axis] : 単位胞の表示のon/off
   [Show Items]->[Hydrogen] : 水素原子の表示のon/off
   [Show Items]->[Area Expand] : 表示領域の拡大
   [Show Items]->[Area Shrink] : 表示領域の縮小
   [Show Items]->[Atomic Radius Decrease] : 表示領域の縮小
   [Show Items]->[Atomic Radius Increase] : 原子球の径の拡大
   [Show Items]->[Bonding Length Shorten] : 結合手の範囲の拡大
   [Show Items]->[Bonding Length Enlarge] : 結合手の範囲の縮小
   {Mouse Mode]->[Rotation] : マウスによる構造の回転
   {Mouse Mode]->[Translation] : マウスによる構造の移動
   {Mouse Mode]->[Zoom] : マウスによる構造の拡大/縮小
   [File]->[Exit] : 終了
 これらのコマンドはコマンドボタンと連動していますので、ボタンを利用した方が早い。
 
[使用例]
 ファイルを読み込むと、即座に構造がBall & Stick表示で示されます。表示方法を変えるには各種のパラメータを変更する必要がありますが、この段階ではStructView.iniファイルに記述されている初期値に各パラメータが設定されています。好みに合わせてStructView.iniファイルを直接書き換えてもよい。

  1. 初期設定では、非対称単位の原子のみの表示、投影軸はc軸になっていますので、[Show Items]->[Atoms in Unit Cell]で全原子を、また[Mode]->[Projection a Axis]などで好みの投影軸を設定してください。
  2. マウスの左ボタンを押したままで移動させると構造が回転します。またマウスを右クリックするとポップアップメニューが現れます。この中には、マウスモードとして回転、移動、拡大縮小の3つのモードが示されます。また、原子の表示方法としてWireframe、Ball & Stick、Capped Sticksの3つの表示法も示されます。初期設定では、回転とBall & Stickとなっています。
  3. 初期設定では、単位胞の大きさによっては全体の構造がはみ出している場合がありますので、ポップアップメニューを使って見やすいように設定してください。この段階で、コマンドボタンを適当にいじくってみると各ボタンの意味が理解できると思います。
  4. 上記のマウスの機能のほかに下記のような面白い機能がマウスにあります。
    ・ひとつの原子上で左ダブルクリックすると、その原子が白くマークされ、ステータスバーに原子名と原子座標が表示されます。
    ・この状態でもうひとつの原子を左ダブルクリックすると、その原子も白くマークされ、ステータスバーに2つの原子の原子間距離が表示されます。
    ・更にもうひとつの原子、合計3つの原子がマークされると、3つの原子を結ぶ2直線間の角度が表示されます。
    ・うまくマークしないと後方の原子がマークされることがありますので注意してください。このモードの解除を右ダブルクリックです。(このとき、ポップアップメニューも現れてしまいますが、気にしないでください。まだうまく直せません^^;)
  5. 表示されている構造モデルをbmp形式のファイルへ保存したり、クリップボードへコピーする際には新たなメッセージウィンドウが表示されます。このウィンドウをStructView上に置いたままセーブやコピーするとこのウィンドウも入ってしまいますので、必ずウィンドウをStructViewの枠外に置いた状態でセーブやコピーしてください。(これもまだうまく直せません^^;)
  6. コマンドボタン以外にメニューの[Option]にも下記のコマンドがあります。
    ・Edito Atoms − 空間群、格子定数、原子座標などが変更できます。(あまり意味がないか)
    ・Set Range  − 表示範囲を変更できます。[Show Items]->[Area Expand]などの拡張版といったところでしょうか。
    ・Expand Fragment − 非対称単位表示の状態でひとつの原子を左ダブルクリックすると、その原子に結合している原子を探してくれます。無機結晶の場合にはあまり意味がありませんが、有機結晶の場合には結合が切れてしまった分子を正しく表示します。(うまくいかない場合もあります^^;)このモードの解除はDEFAULT.BMP - 774BYTESを押してください。
    ・Set Item Colors − 原子の色や軸の色などを変更できます。
    ・Set Bk Color   − StructViewのバックグラウンドカラーを変更します。
    ・Show (x,y,z) List − 現在表示されている全原子の座標をリストアップしてくれます。