希土類含有新規MOF化合物の合成と評価
-研究目的-
MOFとは、Metal Organic Frameの略です。これは、中心金属に有機配位子が配位をしたものです。
Fig.1で示した構造は、MOFの1つのunitです。このunitでは、希土類原子1個の周りに有機配位子が3つ配位しています。そしてこのunitはカルシウム原子と酸素原子によって架橋されます。これによってunitが無限につながることで、Fig.2のような構造をとります。Fig.2をみると赤の破線で示すようにたくさんの孔ができていることがわかります。このできた孔を利用し「分子ふるい」、「吸着剤」などとしての応用が期待されています。
-希土類元素の特徴-
希土類元素は、普段の生活では聞きなれない元素かもしれません。しかし希土類元素は他の元素と異なり蛍光特性や磁気特性などを発現しやすいという特徴をもちます。このため希土類元素を用いることでMOF化合物にこのような特性を付与できると期待できます。また高い配位数をとるため、上の図のような複雑な構造になりやすいという特徴があります。
-合成方法-
Fig.1,Fig2で示したMOF化合物の原料は以下のように示します。また合成法は水熱合成法を用いました。
テフロン容器
ステンレス容器
Flowchart
上の図Fig.4は、上の反応式で示した生成物のMOF化合物の単結晶を光学顕微鏡で見たものです。写真では黒っぽく見えていますが、実際は白色の結晶で、赤色の蛍光特性もあります。
以上のように、私たちは希土類を含んだ新規MOF化合物の合成に取り組んでいます!!!