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Crystal Structure and Ionic Conductivity of a Layered Perovskite, Na2La2Ti3O10
K. Toda, Y. Kameo, M. Fujimoto and M. Sato
Journal of Ceramic Society of Japan, 102, 737-741 (1994)
イオン交換性層状ペロブスカイト化合物Na2La2Ti3O10におけるイオン伝導は、伝導イオンであるナトリウムの周囲の環境に依存している。チタンとニオブ化合物のイオン伝導度の差異は層間の電荷密度の差によるものである。高い電荷密度をもつチタン化合物は、層間イオンがリジッドな岩塩型の配位をとるので、イオン伝導度はニオブ化合物に比べて一桁ほど小さいことがわかった。(論文)
 
Luminescence Properties of Layered Perovskites activated by Eu3+ ions
K. Toda, Y. Kameo, M. Ohta andM. Sato
Journal of Alloys and Compounds, 218, 228-232 (1995)
カチオンが秩序配列した層状ペロブスカイトNa2Gd2(1-x)Eu2xTi3O10 およびNaGd1-xEuxTiO4 における蛍光の濃度消光は発光中心の間の二次元的な相互作用のパーコレーションモデルで説明できた。一般的な蛍光体に比べて、短い相互作用の臨界距離と高い臨界濃度は、従来定説となっていた超交換相互作用ではなく高次の多極子相互作用が、希土類イオン間のエネルギー移動に支配的な役割を果たしていることを見いだした。(論文)
 
Synthesis and Ionic conductivity of Novel Layered Perovskite Compounds, AgLaTiO4 and AgEuTiO4
K. Toda, S. Kurita and M. Sato
Solid State Ionics 81, 267-271 (1995)
新規化合物のイオン交換体AgLnTiO4 (Ln = La, Eu)を合成した。銀イオン交換体は母結晶のNaLnTiO4の構造の特徴を保持していた。この化合物のイオン伝導度は相当するナトリウム化合物よりも高く、これは銀イオンの大きな分極率によるものであることがわかった。(論文)
 
New Layered Perovskite Compounds, LiLaTiO4 and LiEuTiO4
K. Toda, S. Kurita and M. Sato
Journal of Alloys and Compounds, 234, 19-25 (1996)
新規化合物のイオン交換体LiLnTiO4 (Ln = La, Eu)を合成した。本化合物ではリチウムのイオン半径が小さいために、岩塩型配位をとれず、四面体配位している。これらの化合物はおそらく準安定相であり、一般的な固相反応で得ることはできないことがわかった。(論文)
 
Intercalation of Water in Layered Perovskite Compound, NaEuTiO4
K. Toda, Y. Kameo, S. Kurita and M. Sato
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 69, 349-352 (1996)
一層の層状ペロブスカイトNaEuTiO4 の層間への水のインターカレーションを初めて確認した。インターカレーションはいくつかのステップを経て起こり、トポタクティックである。Rietveld解析により結晶構造を決定し、水がナトリウム層のみに挿入されていることを確認した。(論文)
 
Crystal Structure Determination and Ionic conductivity of Layered Perovskite Compounds NaLnTiO4 (Ln = rare earth)
K. Toda, Y. Kameo, S. Kurita and M. Sato
Journal of Alloys and Compounds, 234, 19-25 (1996)
一層の層状ペロブスカイトNaLnTiO4 (Ln = 希土類)の結晶構造を初めて決定した。Ln = La〜Ndは正方晶の対称性を持つ一方で、Ln = Eu〜Luは斜方晶であった。対称性の低下をTiO2とLnO2層のミスマッチから論じた。二つのパラメータ、c/a比とtolerance factor tを用いて結晶構造の対称性の変化を説明できる。イオン伝導度は相当する三層の層状ペロブスカイト化合物よりも高く、これは層間ナトリウムとペロブスカイト層の弱い相互作用によるものであることが判明した。(論文)
 
Bulk and grain boundary ionic conduction in lithium rare earth silicates "LiLnSiO4" (Ln = La, Nd, Sm, Eu, Gd, Dy)
M. Sato, Y. Kono, H. Ueda, K. Uematsu and K. Toda
Solid State Ionics, 83, 249-256 (1996)
"LiLnSiO4" (Ln = La, Nd, Sm, Eu, Gd, Dy)の名目組成をもつ化合物を合成した。この化合物におけるイオン伝導はアモルファスの粒界とアパタイトのバルクの二つに分類される。バルクの伝導度は粒界よりも小さいが、化学量論のアパタイトよりも数桁高い。これはリチウムと空孔が4fサイトへ導入されたモデルにより説明できた。(論文)
 
Synthesis and Structure Determination of New Layered Perovskite Compounds, ALaTa2O7 and ACa2Ta3O10 (A = Rb and Li)
K. Toda and M. Sato
Journal of Materials Chemistry, 6, 1067-1071 (1996)
新規化合物のイオン交換性層状ペロブスカイトRbLaTa2O7、RbCa2Ta3O10の合成に成功した。骨格元素としてTiおよびNbを含まない化合物は、現在までに報告されていない。イオン交換により合成したリチウム化合物LiLaTa2O7、LiCa2Ta3O10はルビジウム化合物と異なる積層構造を持つ。この差異は、チタンとタンタルの層間の電荷密度の差によるものである。層間で低い電荷密度をもつタンタル化合物は、層間イオンのサイズにより異なる積層構造をとることが可能であることがわかった。(論文)

Crystal Structure Determination of Ion-exchangeable Layered Perovskite Compounds, K2La2Ti3O10 and Li2La2Ti3O10
K. Toda, J. Watanabe and M. Sato
Materials Research Bulletin, 31, 1427-1435 (1996)
層状ペロブスカイトK2La2Ti3O10およびイオン交換反応により合成したLi2La2Ti3O10の結晶構造をXRDパターンのRietveld解析により決定した。カリウム化合物はRuddlesden  - Popperタイプの構造を持つ。層間のKイオンはリジッドな岩塩型の配位をとる一方で、リチウム化合物における層間のリチウムイオンは、そのイオン半径が小さいために四面体配位している。この化合物はRuddlesden-Popper相に関連した新しい構造を持っている。(論文)

Synthesis and Ionic Conductivity of New Layered Perovskite Compounds, Ag2La2Ti3O10
K. Toda, J. Watanabe, and M. Sato
Solid State Ionics, 90, 15-19(1996)
新規化合物であるAg2La2Ti3O10を母結晶のM2La2Ti3O10 (M = K, Na)のイオン交換反応により合成した。銀イオン交換体は母結晶の構造の特徴を保持している。K2La2Ti3O10からの反応ではKの残存が確認されるのに対して、Na2La2Ti3O10では完全なイオン交換が行われる。これはイオン交換速度の差異を反映している。Ag2La2Ti3O10のイオン伝導度は相当するナトリウム化合物よりも高く、これは銀イオンの大きな分極率によるものであることがわかった。(論文)

Synthesis and Structure Determination of New Layered Perovskite Compound, KLaTa2O7
K. Toda, T. Honma, Zuo-Guang Ye, and M. Sato
J. Alloys and Comp., 249, 256-259(1997)
新規化合物のイオン交換性層状ペロブスカイトRbLaTa2O7からカリウム溶融硝酸塩とのイオン交換反応により新しい層状ペロブスカイトKLaTa2O7を合成することに成功した。Rietveld法を用いての構造解析より、層間で低い電荷密度をもつタンタル化合物は、層間イオンのサイズにより異なる積層構造をとることが可能であることがわかった。(論文)

Synthesis and Properties of Lithium Ion Conductors Li3-2x(Sc1-xZrx)2(PO4)3
M. Sato, T. Suzuki, K. Yoshida, K. Uematsu, K. Toda, and Zuo-Guang Ye
J Alloys and Comp., 250, 510-514(1997)
 イオン伝導体, Li3-2x(Sc1-xZrx)2(PO4)3を固相反応により合成した。TG-DTA分析は0.05を超えるxの試料において相転移が存在しないことを示している。これらの試料のX線粉末回折は斜方晶の超イオン伝導相が室温で安定化されていることを明らかに示している。最も高いイオン伝導度はx = 0.05の試料において観察され、そしてそれは、Sc3+のサイトに対するZr4+の置換によるLi+サイトの空孔の導入と超イオン伝導相の安定化によるものである。(論文)

Unusual Concentration Quenching of Europium Luminescence in New Layered Perovskite Compound, RbLa1-xEuxTa2O7 (0≦x≦1)
K. Toda, T. Honma, and M. Sato
J. Lumin., 71, 71-75(1997)
希土類サイトが完全に二次元配列している層状ペロブスカイトRbLa1-xEuxTa2O7における蛍光の濃度消光を調査した。濃度消光の臨界濃度は0.5と非常に高く、これは発光センターの間の二次元的な相互作用のパーコレーションモデルで説明できる。また、発光輝度も従来の高輝度蛍光体に匹敵するものである。これはフォノンによる非輻射緩和を抑制できる重いタンタル骨格から形成されているためである。(論文)

Synthesis and High Ionic Conductivity of New Layered Perovskite Compounds, AgLaTa2O7 and AgCa2Ta3O10
K. Toda, T. Suzuki, and M. Sato
Solid State Ionics, 93, 177-181(1997)
新規化合物のAgLaTa2O7とAgCa2Ta3O10を母結晶のRb化合物からイオン交換反応により合成した。AgCa2Ta3O10はイオン交換性層状ペロブスカイトにおける最も高いイオン伝導度を示した。この差異はチタンとタンタルの層間の電荷密度の差によるものである。層間で低い電荷密度をもつタンタル化合物は、層間イオンが緩く結びつけられているためより高い伝導度を示す。(論文)


CO2 Gas Sensor Using the Potassium Ionic Conductor K2O-Sm2O3-6SiO2
S. Nakayama*, S. Kuwata**, M. Sato, M. Sakamoto***, and Y. Sadaoka****
J. Ceram. Soc. Jpn., 105(3), 225-257(1997).
固体電解質としてカリウムイオン伝導体K2O-Sm2O3-6SiO2を用いる固体電気化学セルを空気中の二酸化炭素のモニターのために研究した。300から500℃の温度で、センサーの起電力、EMF、は二酸化炭素分圧の対数の増大に伴い直線的に増大し、Nernst則に従っている。Nernst式の傾きは、検出極での二電子反応を示唆している。500℃でのセンサーのEMFの90 %応答時間は、約4分である。センサーのEMFの長期安定性は10日後でも本質的に良好である。(論文)
*品川白煉瓦(株)技術研究所
**新居浜工業高等専門学校工業化学科
***山形大学理学部
****愛媛大学工学部

複素インピーダンス法によるHZSN-5型ゼオライト膜のプロトンのモビリティ評価
*栗田 聡、*王 正宝、*佐野庸治、*川上雄資、上松和義、佐藤峰夫
日本化学会誌、1997, No.6, 456-460(1997).
HZSM-5ゼオライト膜におけるプロトンの非局在化を複素インピーダンス法により研究した。SiO2/Al2O3比が170であるHZSM-5(Al)ゼオライト膜の伝導度は、水蒸気分圧に大きく依存し、そして蒸気圧の増大に伴い大きくなる。一方でシリカライト膜(SiO2/Al2O3比 > 5000)およびSiO2/Al2O3比が173の粉末HZSM-5ゼオライトの圧縮により作製したペレットの伝導度は、水蒸気分圧を増大させてもほとんど変化しない。 HZSM-5型メタロシリケート(HZSM-5(Ga)およびHZSM-5(Fe))膜の伝導度も測定した。得られた結果から、(1)骨格のアルミと結合している酸性サイトがプロトン伝導の活性中心である、(2)吸着水が伝導の原因である、そして(3)多結晶のゼオライト膜はプロトンの移動度の評価に非常に有効である、ということが結論づけられる。(論文)
*北陸先端科学技術大学院大学材料科学研究科

Structure Determination of New Layered Perovskite Compounds, NaLaTa2O7, Synthesized by Ion-Exchange Reaction
K. Toda, K. Uematsu, and M. Sato
J. Ceram. Soc. Jpn., 105(6), 482-485(1997)
ルビジウム化合物RbLaTa2O7のイオン交換反応により新しい層状ペロブスカイト化合物NaLaTa2O7を合成した。化合物の結晶構造は、粉末X-線回折パターンのRietveld解析により決定した。結晶構造は相当するニオブ化合物NaLaNb2O7と類似している。この層状ペロブスカイト化合物は、一般式A[Mn-1BnO3n+1] (A = アルカリ金属)のDion - Jacobsonシリーズのn = 2の新しいメンバーである。(論文)

Ionic Conductivity of LiLnSiO4(Ln=La,Sm) Thin Films Prepared by Sol-Gel Method
M. Sato, H. Ueda, Y. Ohara, and K. Toda
Chem. Lett., 1997, 657-658(1997)
LiLnSiO4 (Ln = La, Sm)の薄膜の調製にゾルゲル法を適用した。コーティング溶液は、リチウムイソプロポキシド、シリコンテトラエトキシド、希土類三アセチルアセトナートから調製した。厚さで0.1〜0.3 μmの良好な結晶性の膜がスピン-コーティングと続いての400 ℃以上での焼成によりアルミナおよび石英基板上で得られた。膜のリチウムイオン伝導度は、1000 ℃で通常の固相反応により合成した焼結試料のものよりも大きい。(論文)< /FONT >

Thermal Decomposition Products of Heteronuclear Cu-RE Complexes, CuRE(dhbaen)(NO3)・nH2O (RE = La, Eu, Gd, Tb, Dy, Y, Ho, Er, Tm, Yb, and Lu)
M. Sakamoto*, T. Igoshi*, M. Sato, S. Matsushima**, M. Miwa***, H. Aono***, and Y. Sadaoka***
J. Alloys and Comp., 260, 59-63(1997)
微細でより均一なCuREOxの合成の促進と合成温度の低下を実現するために、CuRE(1:1)錯体、CuRE(dhbaen)(NO3)・nH2Oを前駆体として合成した。RE = LaからGdに対して予測されるように、Cu/RE比が1であるので800℃で錯体が分解した時でさえCuOとCuRE2O4の混合物のみが形成される。YおよびTbからLuに対して、CuOとRE2O3よりCu2RE2O5が形成される。分解生成物の構造は、REイオンの配位数とイオンサイズにより制御される。RE3+イオンの八配位に対する最小の半径比は、Cu2Ho2O5タイプの構造を持つ均一なCu:RE(1:1)の合成がRE = LaからGdに対しては困難であることを示唆している。(論文)
*山形大学理学部
**北九州工業高等専門学校化学工学科
***愛媛大学工学部

Stabilization of Superionic Conduction Phase in Li3Sc2(PO4)3
T. Suzuki, M. Sato, K. Yoshida, K. Uematsu, T. Kodama, K. Toda and Z-G. Ye
Solid State Ionics, 104, 27-33(1997)
リチウム超イオン伝導体Li3+2x(Sc1-xMgx)2(PO4)3、Li3-2x(Sc1-xMx)2(PO4)3 (M = Ti, Zr, Sn, Hf)そしてLi3-4x(Sc1-xMx)2(PO4)3 (M = Nb, Ta)を固相反応により合成した。TG-DTA分析は、0.05を超えるxのLi3+2x(Sc1-xMgx)2(PO4)3、Li3-2x(Sc1-xMx)2(PO4)3 (M = Ti, Zr, Sn, Hf)において、そして0.025を超えるxのLi3-4x(Sc1-xMx)2(PO4)3 (M = Nb, Ta)において相転移が存在しないことを示している。x = 0.20の Li3-2x(Sc1-xTix)2(PO4)3およびx = 0.10の Li3-2x(Sc1-xZrx)2(PO4)3において観察された最も高い伝導度は、Li3Sc2(PO4)3の室温のイオン伝導度より三桁増大する。それは、Sc3+のサイトに対するZr4+またはTi4+置換によるLi+サイトの空孔の導入と超イオン伝導相の安定化によるものである。(論文)

Synthesisand Properties of the Magnetic Relaxor Ferroelectric Pb(Fe2/3W1/3)O3 [PFW]
Z. -G. Ye and M. Sato
The 9th International Meeting on Ferrolectricity in Seoul, Korea, Abstract Book P-13-TH-145, 1997
Pb(Fe2/3W1/3)O3 [PFW]の単結晶を(PbO-B2O3)フラックスを用いて高温溶液から成長させた。PFWの結晶構造は、B-サイトのFe/Wの非秩序と原子シフトによる位置の比秩序を示している。誘電特性は、Tm (1 kHzで178 Kから1 MHzで190 Kまで)で誘電率の分散極大を示している。磁化の温度依存性は、TN1 = 350 K、TN2 = 20 Kでの二つの磁気的な相転移を示しており、B-サイトの非秩序と秩序化したクラスターにより特徴づけられる、複合ペロブスカイトの微細構造の特徴に起因している。(国際学会)

New Compounds in the Na2O-RE2O3-GeO2(RE=Y, La) Systems: Single Crystal Growth, Structure Determination and Luminescent Properties Activated by Eu3+
M. Takahashi, K. Uematsu, Z. -G. Ye, and M. Sato
The 4th IUMRS International Conference in Asia, in OVTA, Makuhari, Chiba, Japan, Abstracts and Program p.538(M10.5), 1997.
Na2O-RE2O3-GeO2 ( RE = Y, La )系におけるいくつかの新規化合物の合成と蛍光特性について報告する。フラックス法によって、NaYGeO4とNaLaGeO4、NaLa9Ge6O26の単結晶育成に成功した。これらの化合物の育成に対する最も適切なフラックスはPbO-B2O3であった。その結晶構造は四軸X線回折の手法により解析した。その結果、NaYGeO4はオリビン構造(Pnma)であり、NaLa9Ge6O26はオキシアパタイト構造(P63/m)であることが分かった。またNaLaGeO4については、-K2SO4型構造の超格子構造からなる新たな構造であることが推測された。そしてEu3+を付活したこれらの化合物の蛍光特性、特に濃度消光を調査し、その結晶構造の観点から議論した。(国際学会)

Synthesis and Property of New Layered Perovskite Compounds with Tantalum
K. Toda, Z. -G. Ye, K. Yoshikawa, S. Tobitsuka, and M. Sato
The 4th IUMRS International Conference in Asia, in OVTA, Makuhari, Chiba, Japan, Abstracts and Program p.723(R7.11), 1997
新規化合物のイオン交換性層状ペロブスカイトRbCa2Ta3O10から溶融硝酸塩とのイオン交換反応によりイオン交換化合物、LiCa2Ta3O10およびKCa2Ta3O10を合成することに成功した。これらの層状ペロブスカイト化合物は、一般式A[Mn-1BnO3n+1] (A = アルカリ金属)のDion - Jacobsonシリーズのn = 3の新しいメンバーである。中性子回折パターンのRietveld法を用いての構造解析より、層間で低い電荷密度をもつタンタル化合物は、層間イオンのサイズにより異なる積層構造をとっていることがわかった。これらの化合物のインターカレーション反応と構造変化について論じる。(国際学会) 

Stabilization of Superionic Conduction Phase in Li3Sc2(PO4)3 : Ionic Conductivity and Structure Refinement by Neutron Diffraction
M. Sato, T. Suzuki, K. Yoshida, K. Uematsu, T. Kodama, K. Toda, and Z. -G. Ye
11th International Conference on Solid State Ionics, Honolulu, Hawaii, USA, Program and Short Abstracts, p.A42, 1997
リチウム超イオン伝導体Li3+2x(Sc1-xMgx)2(PO4)3、Li3-2x(Sc1-xMx)2(PO4)3 (M = Ti, Zr, Sn, Hf)そしてLi3-4x(Sc1-xMx)2(PO4)3 (M = Nb, Ta)を固相反応により合成した。x = 0.20の Li3-2x(Sc1-xTix)2(PO4)3およびx = 0.10の Li3-2x(Sc1-xZrx)2(PO4)3において観察された最も高い伝導度は、Li3Sc2(PO4)3の室温のイオン伝導度より三桁増大する。結晶構造を粉末中性子回折パターンのRietveld解析により決定した。(国際学会) 

Structural Chemistry of New Ion-Exchangeable Tantalates with Layered Perovskite Structure
K. Toda, T. Teranishi, M. Takahashi, Z. -G. Ye, and M. Sato
11th International Conference on Solid State Ionics, Honolulu, Hawaii, USA, Program and Short Abstracts, p.C65, 1997
新しいイオン交換性層状ペロブスカイト化合物MCa2Ta3O10 (M = Cs, Rb, K, Li)の結晶構造を、粉末中性子およびXRD回折パターンのRietveld解析により決定した。これらの層状ペロブスカイト化合物は、一般式M[An-1BnO3n+1] (M = アルカリ金属、B = Nb, Ta)のDion - Jacobsonシリーズのn = 3の新しいメンバーである。ペロブスカイト層の積層構造の特徴を構造解析に基づき論じる。(国際学会)


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Synthesis, Structure and Properties of the Magnetic Relaxor Ferroelectric Pb(Fe2/3W1/3)O3 [PFW]
Z-G. Ye, K. Toda, M. Sato, E. Kita and H. Schmid
Journal of Korean Physical Society, 32, 1028-1031(1998)
Pb(Fe2/3W1/3)O3 [PFW]の単結晶を、(PbO-B2O3)フラックスを用いて高温溶液から成長させた。PFWの結晶構造は、B-サイトのFe/Wの非秩序と原子シフトによる位置の非秩序を示している。誘電特性は、Tm (1 kHzで178 Kから1 MHzで190 Kまで)で誘電率の分散極大を示している。マクロポーラー相は、電場の印加により導入でき、強誘電性をもたらしている。磁化の温度依存性は、TN1 = 350 K、TN2 = 20 Kでの二つの磁気的な相転移を示しており、B-サイトの非秩序と秩序化したクラスターにより特徴づけられる複合ペロブスカイトの微細構造の特徴に起因している。(論文)

Concentration quenching of the Eu3+-activated luminescence in some layered perovskites with two-dimensional arrangement
T. Honma, K. Toda, Z-G. Ye and M. Sato
Journal of Physics and chemistry of solids, 59, 1187-1193(1998)
希土類イオンが二次元配列している層状ペロブスカイト化合物SrRE2Al2O7, BaRE2Ti3O10, RETa3O9そしてRbRETa2O7 (RE = 希土類)におけるEu3+発光の濃度消光を研究した。最も高い蛍光強度は、二つのタンタル化合物RETa3O9およびRbRETa2O7において観察された。これらの化合物における濃度消光は、ホスト格子中のEu3+サイト間の二次元的な相互作用を持つパーコレーションモデルで説明できる。Eu3+サイト間のエネルギー移動は、希土類副格子における最隣接サイトの間で多重極子ー多重極子相互作用により起きる。(論文)

Cathode Characteristics of Lithium Transition Metal Phosphate Synthesized by Ion-exchange Reaction
K. Yoshida, K. Toda, K. Uematsu and M. Sato
Key Engineering Materials, 157-158, 289-296(1999)
NASICONタイプの化合物Li3V2(PO4)3をNa3V2(PO4)3とLiCl/n-hexanolとのイオン交換反応により合成した。リチウム二次電池の正極として用いたときの放電電圧はLi/Li+の組み合わせに対して3.7 Vであった。(論文)
 
Chemical and electrochemical intercalation of lithium into the tantalates with the layered perovskite structure
K. Toda, M. Takahashi, T. Teranishi, K. Uematsu and M. Sato
DENKI KAGAKU(電気化学および工業物理化学), 66, 1241-1247(1998)
新規化合物の還元されたタンタル酸塩Li2LaTa2O7およびLi2Ca2Ta3O10を、母体のDion-Jacobsonタイプの化合物からリチウムの電気化学的および化学的なインターカレーション反応により合成した。インターカレーション化合物の結晶構造は、母体の化合物のものと類似している。リチウムのインターカレーションは、高い層間電荷密度によるペロブスカイト層の積層方向に沿っての大きな収縮をもたらす。これらのインターカレーション化合物は、層状ペロブスカイト構造を持つ還元されたタンタル酸塩の初めての例である。(論文)

Lithium Intercalation and Cathode Performance of Li2CrTi(PO4)3
DENKI KAGAKU(電気化学および工業物理化学), 66, 1236-1240(1998)
M. Sato, S. Hasegawa, K. Yoshida and K. Toda
化学的および電気化学的なリチウムインターカレーション挙動をLi2CrTi(PO4)3に対して研究した。n-ブチルリチウムによる化学的なインターカレーションにより組成あたりおよそ一分子のリチウムが挿入される。構造解析の結果は、両方の化合物がより低い対称性、R3またはC2/c、そしてそれは以前に論文で報告されたものと異なっている、に結晶化するということを示した。インターカレーション物質は、放電に対して2.4 V vs. Li/Li+、充電に対して2.8 V vs. Li/Li+付近でプラトーを持ち正極特性を示した。(論文)

Structure refinement of lithium ion conductors Li3Sc2(PO4)3 and Li3-2x(Sc1-xMx)2(PO4)3 (M = Ti, Zr) with x = 0.10 by neutron diffraction
Solid State Ionics, 113-115, 89-96(1999)
T. Suzuki, K. Yoshida, K. Uematsua, T. Kodama, K. Toda, Z-G. Ye, M. Ohashi and M. Sato
リチウムイオン伝導体、Li3Sc2(PO4)3およびx = 0.1のLi3-2x(Sc1-xMx)2(PO4)3 (M = Ti, Zr)の結晶構造を、Liイオンのサイトの位置と占有率を確認するために中性子回折パターンのRietveld解析により精密化した。Rietveld解析は、Li3Sc2(PO4)3の高温相における三種類のLiサイトに無秩序的に分布していることが確認された。高温相は、Sc3+サイトのTi4+またはZr4+の置換により室温で安定化される。安定化された物質もまたLiサイトでの無秩序性を示す。(論文) 

Structural chemistry of new ion-exchangeable tantalates with layered perovskite structure: new reduced Ruddlesden-Popper phase, Na2Ca2Ta3O10
Solid State Ionics, 113-115, 501-508(1999)
K. Toda, T. Teranishi, M. Takahashi, Z-G. Ye and M. Sato
層状ペロブスカイト構造を持つ新しい還元されたタンタル酸塩Na2Ca2Ta3O10を、母体のナトリウム化合物NaCa2Ta3O10からインターカレーション反応により合成した。インターカレーション化合物の結晶構造は、母体の化合物のものと類似しているけれども、四面体サイトの間の強い反発力のためにインターカレーション化合物の層間内のナトリウムイオンは岩塩型の配位を持っている。インターカレーション化合物Na2Ca2Ta3O10は、Ruddlesden-Popperタイプの構造をもつ還元されたタンタル酸塩の初めての例である。(論文)

Application for Lithium Secondary Battery of Superionic Conductors, Li3-2x(In1-xZrx)2(PO4)3 (0 ≦ x ≦ 0.2),
ElectroceramicsY in Montreux, Abstract book, pp. 85, 1998
K. Yoshikawa, N. Hayakawa,T. Suzuki, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
InサイトをZrで置換することにより超イオン伝導相を安定化したLi3-2x(In1-xZrx)2 (PO4)3 (0 ≦ x ≦ 0.2)を固相反応およびゾルゲル法で合成することに成功した。これらの化合物は、室温で約1.4×10-5 Scm-1の非常に高いイオン伝導を示す。これらの化合物は良好な化学的安定性とリチウム金属により還元されないことから、リチウム二次電池における電解質として有望である。(国際会議)

Crystal Chemistry of New Luminescent Materials Containing Pentavalent Cation  
ElectroceramicsY in Montreux, Abstract book, pp. 92, 1998
発表者 S. Tobitsuka, T. Honma, T. Wakayama, K. Toda and M. Sato
Rb2O - Ln2O3 - M2O5 (Ln = 希土類、 M = Ta、Nb、V)の三成分系において、新しい蛍光物質を探索した。酸素欠損型の非化学量論のオルソニオブ酸塩Ln0.77NbO3.66および層状ペロブスカイトRbLnTa2O7が新規に合成できた。層状ペロブスカイトRbLnTa2O7は、Dion - Jacobsonシリーズに関連した構造であることが分かった。この化合物は希土類の副格子が完全に二次元配列している。Rb2O - Ln2O3 - V2O5においては、一次元のVO4鎖をもつ輝石構造の化合物RbVO3が得られた。これらの低次元構造をもつ化合物は、効率的な蛍光を発する。高輝度の原因は、発光中心が低次元に配列していることである。(国際会議) 

Superconductivity of New Reduced Tantalates with a Layered Perovskite Structure
ElectroceramicsY in Montreux, Abstract book, pp. 189, 1998
K. Toda, T. Teranishi and M. Sato
層状ペロブスカイト構造を持つ新しい還元されたタンタル酸塩を、母体の化合物ACa2Ta3O10(A = Li、NaおよびK)から化学的および電気化学的なインターカレーション反応により合成した。インターカレーション化合物の骨格構造は、母体の化合物のものと類似しているけれども、層間のカチオンの配位は明らかに異なっている。これらのインターカレーション化合物は、Ruddlesden-Popperタイプの構造をもつ還元されたタンタル酸塩の初めての例である。いくつかの試料は反磁性の信号を示し、超伝導体であることが示唆される。(国際会議)
 


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Single-crystal growth and structure determination of a new oxide apatite, NaLa9(GeO4)6O2
M. Takahashi, K. Uematsu, Z-G. Ye and M. Sato
Journal of Solid State Chemistry, 139, 304-309 (1998)
NaLa9Ge6O26は、966の反射に対し、六方晶の空間群P63/mでa = 0.9883(2), c = 0.7267(3) nm, Z = 1, dc = 5.739, T = 298 K, R = 0.031, Rw = 0.037である。 NaLa9Ge6O26の単結晶は、メルトと高温フラックス法の両方で成長させた。結晶構造は、オキシアパタイト珪酸塩NaY9Si6O26のものと類似している。この化合物は、オキシアパタイト族AxLn10-xB6O24O3-x (x = 1, A = アルカリ金属, B = Si, Ge, Ln = 希土類)の新しいメンバーである。(論文) 

Oxide ionic conductivity of apatite type Nd9.33(SiO4)6O2 single crystal.
S.Nakayama, M. Sakamoto, M. Higuchi, K. Kodaira, M. Sato, S. Kakita, T. Suzuki and K. Itoh
Journal of the European Ceramic Society, 19, 507-510 (1999)
酸化物イオン伝導体である六方晶のアパタイト-タイプのNd9.33(SiO4)6O2の単結晶をフローティングゾーン法により作製し、その伝導度の異方性を研究した。c-軸に平行の伝導度(30 ℃で2.1 x 10-8 S cm-1)は、垂直なものよりも一桁高い。(論文)

Synthesis and structure determination of reduced tantalates, Li2LaTa2O7, Li2Ca2Ta3O10 and Na2Ca2Ta3O10, with a layered perovskite structure
K. Toda, M. Takahashi, T. Teranishi, Z-G. Ye, M. Sato and Y. Hinatsu
Journal of Materials Chemistry, 9, 799-803 (1999)
層状ペロブスカイト構造を持つ新しい還元されたタンタル酸塩Li2LaTa2O7、 Li2Ca2Ta3O10およびNa2Ca2Ta3O10を、母体のDion-Jacobsonシリーズの化合物とアルカリ金属の化学的および電気化学的インターカレーション反応により合成した。これらのインターカレーション化合物は、層状ペロブスカイト構造を持つ還元されたタンタル酸塩の初めての例である。(論文)

Synthesis and lithium ionic conductivity of Li3-2x(In1-xZrx)2(PO4)3 (0 ≦ x ≦ 0.20)
K. Yoshikawa, N. Hayakawa, T. Suzuki, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Journal of the European Ceramic Society, 19, 879-882 (1999)
InサイトをZrで置換することにより超イオン伝導相を安定化したLi3-2x(In1-xZrx)2(PO4)3 (0 ≦ x ≦ 0.2)を固相反応およびゾルゲル法で合成することに成功した。これらの化合物は、室温で約1.4×10-5 Scm-1の非常に高いイオン伝導を示す。これらの化合物は良好な化学的安定性とリチウム金属により還元されないことから、リチウム二次電池における電解質として有望である。(論文)

Possibility of superconductivity in new reduced tantalate and titanate with the layered perovskite structure
K. Toda, T. Teranishi and M. Sato
Journal of the European Ceramic Society, 19, 1525-1529 (1999)
新しい還元されたタンタル酸塩Na2Ca2Ta3O10とチタン酸塩 Na1.0Ca0.95La2Ti3O10を母体のDion - JacobsonおよびRuddlesden - Popperタイプの層状ペロブスカイト化合物からインターカレーション反応により合成した。還元されたタンタル酸塩およびチタン酸塩化合物のいくつかにおいて、反磁性の信号が7 K以下で観察された。それゆえ、これらの化合物は新しい酸化物超伝導体に対する有望な候補であると考えられる。(論文)

Single crystal Growth and domain structure of CsLaTa2O7
S. Tobitsuka, T. Honma, T. Wakayama, K. Toda and M. Sato
Journal of the European Ceramic Society, 19, 1559-1562 (1999)
新しい層状ペロブスカイト化合物CsLaTa2O7を、それぞれ通常の固相反応およびフラックス法により粉末および単結晶の形で合成および成長させた。粉末試料に基づくRietveld解析は、正方晶を示す一方で、偏光顕微鏡による成長した単結晶の観察は斜方晶であることを示した。斜方晶の成長した単結晶は、高温でのアニーリングにより正方晶相に変化した。(論文)

New layered perovskite compound synthesized by the soft chemistry: KCa2Ta3O10
K. Toda, S. Takakuwa, N. Sakai,T. Teranishi and M. Sato
Key Engineering Materials, 169-170, 231-234 (1999) 
新しい層状ペロブスカイト化合物KCa2Ta3 O10をイオン交換反応により合成した。この化合物は、一般式M[An-1BnO3n+1](M = アルカリ金属、B = NbまたはTa)に対するn = 3のDion-Jacobsonシリーズの新しいメンバーである。標題化合物のKCa2Ta3O10はLT-相およびHT-相と表示されるかなり異なるアスペクト比を持つ二つの異なる相に結晶化する。(論文) 

The ionic conductivity of new ionic conductor Li3(In1-xScx)2(PO4)3 
T. Suzuki, K. Yoshikawa, N. Hayakawa, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Key Engineering Materials, 169-170, 205-208 (1999)
新しいイオン伝導体Li3(In1-xScx)2(PO4)3 (0 ≦ x ≦ 1)を通常の固相反応により合成した。室温で、0から1までのすべての試料においてイオン伝導度は増大した。最も高い伝導度は、x = 0.7のLi3(In1-xScx)2(PO4)3において観察された( = 1.3×10-4 Scm-1)。Inサイトに対するScの置換がボトルネックの拡大をもたらすと考えられる。(論文) 

Structural chemistry of new ion-exchangeable tantalates with layered perovskite structure: New Dion-Jacobson phase MCa2Ta3O10 (M = alkali metal) and Ruddlesden-Popper phase Na2Ca2Ta3O10
K. Toda, T. Teranishi, Z-G. Ye, M. Sato, Y. Hinatsu
Materials Research Bulletin, 34, 971-982 (1999)
新しい層状ペロブスカイト化合物MCa2Ta3O10 (M = アルカリ金属)を固相反応およびイオン交換反応により合成した。これらの化合物は、一般式M[An-1BnO3n+1](M = アルカリ金属、B = Nb)に対するn = 3のDion -Jacobsonシリーズの新しいメンバーである。さらに、新しい還元されたタンタル酸塩Na2Ca2Ta3O10を、母体のナトリウム化合物NaCa2Ta3O10からインターカレーション反応により合成した。(論文) 

Improvement of discharge capacity of -Fe2(SO4)3-type Li3V2(PO4)3 by stabilizing high temperature orthorhombic phase at room temperature
H. Ohkawa, K. Yoshida, M. Saito, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Chemistry Letters, 1017-1018 (1999)
リチウムイオン電池の正極特性を、-Fe2 (SO4)3 -タイプのLi3V2(PO4)3およびLi3(V1-x Zrx)2(PO4)3 (x = 0.05、0.1、0.15、0.2)に対して研究した。Li3V2(PO4)3は二種類の相転移を示す一方で、Li3(V1-x Zrx)2(PO4)3は相転移を示さない。Zrを置換したLi3(V1-xZrx)2 (PO4)3の放電容量は、純粋なLi3V2(PO4)3のものよりも大きい。(論文)

Structure and property of layered perovskite type compounds (La,Sr)n+1FenO3n+1 and intercalation of LaSr3Fe3O10-
T. Nishi, K. Toda, F. Kanamaru and T. Sakai
Key Engineering Materials, 169-170, 235-238 (1999)
層状ペロブスカイト化合物、(La,Sr)n+1FenO3n+1 (n = 1および3)そしてLa2SrFe2O7を合成した。広い酸素の非化学量論が三層の層状ペロブスカイト、LaSr3Fe3O10-に対して観察された。岩塩型層への水のインターカレーションにつれて、酸素欠損の試料、LaSr3Fe3O9.2、はc-軸の劇的な伸張を示した。TG-DTA測定は水和したLaSr3Fe3O9.2・2H2Oが60 ℃で中間相のLaSr3Fe3O9.2・H2Oそしてそれから 320 ℃でLaSr3Fe3O9.9に変化することを示した。(論文)

Synthesis of Ruddlesden-Popper type (La,Sr)n+1VnO3n+1 (n = 1, 2, 3)
M. Suzuki, F. Kanamaru, K. Toda and T. Sakai
Key Engineering Materials, 169-170, 239-242 (1999)
n層のペロブスカイト層と岩塩型層から成るペロブスカイト関連の層状化合物を(La,Sr)n+1VnO3n+1系におけるn = 1および3に対して合成した。一層化合物、LaSrVO4、の電気伝導度は、(RT) = 3.37 S/cmの半導体的である。三層の化合物、LaSr3V3O10-、は(RT) = 93.7 S/cmの金属的な伝導を示す一方で、大量にドープしたLa3SrV3O10-、は半導体的である。LaxSr4-xV3O10 ( 1≦ x ≦ 3)の電気伝導度は、ドーパントの増大に伴い低下する。(論文)

Preparation and ionic substitution of Dion-Jacobson type compounds CsLa(M,Mn)nO3n+1 (M = Nb, n = 2, 3)
S. Takakuwa, T. Saitoh, K. Toda and F. Kanamaru
Key Engineering Materials, 169-170, 243-246 (1999)
遷移金属としてMnイオンを含んでいるDion - Jacobsonタイプの化合物、 CsLa2NbMn2O10、を初めて合成した。この化合物におけるセシウムイオンはリチウムイオンと交換することが可能である。この新規化合物の結晶構造はX-線回折パターンのシミュレーションにより推定した。リチウムのイオン交換は、この層状ペロブスカイトの空間群をP4/mmmから体心のI4/mmmに変える。(論文)

Enhancement of discharge capacity of Li3V2(PO4)3 by stabilizing orthorhombic phase at room temperature
M. Sato, H. Ohkawa, K. Yoshida, M. Saito, K. Uematsu and K. Toda
12th International Conference on Solid State Ionics in Halkidiki, Extended Abstracts, Paper A-19, 70-71 (1999)
Li3V2(PO4)3および固溶体系のLi3(V1-xMx)2 (PO4)3 (M = Ti, Zr)を固相反応により合成した。-Fe2 (SO4)3 -タイプのLi3V2(PO4)3の高温の斜方晶相をVのTiまたはZrの置換により室温で安定化させた。斜方晶の安定化はサイクル特性を純粋なLi3V2(PO4)3のものよりもかなり改善する。(国際会議)

Oxygen defect of non-stoichiometric rare earth orthoniobate, LnxNbO4-1.5(1-x)
K. Toda, Y. Ishimoto, Z-G. Ye and M. Sato
12th International Conference on Solid State Ionics in Halkidiki, Extended Abstracts, Paper D-1, 323-324 (1999)
炭酸ルビジウムフラックス中で合成した非化学量論の希土類オルソニオブ酸塩、LnxNbO4-1.5(1-x)、の結晶化学を研究した。希土類の欠損は、酸素空孔の発生を伴って生じていることがわかった。これらの非化学量論の化合物は、新しい酸化物イオン伝導体として有望である。(国際会議)
 


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Synthesis and Characterization of Ionic Conductors; Li12/7+x(Li4/7Ti24/7-xMx)O8 (M = Al, Cr and Fe) and Li12/7+2x(Li4/7Ti24/7-2xMg2x)O8 with Tunnel Structure
N. Sakai, K. Toda, M. Sato and F. Kanamaru
Key Engineering Materials, 181-182, 167-170 (2000)
ラムスデライトタイプの構造を持つ固溶体系Li12/7+x(Li4/7Ti24/7-xMx)O8 (M = Al, Cr and Fe)およびLi12/7+2x(Li4/7Ti24/7-2xMg2x)O8を固相反応で合成した。Li12/7+x(Li4/7Ti24/7-xMx)O8  (M = Al, Cr and Fe) およびLi12/7+2x(Li4/7Ti24/7-2xMg2x)O8 固溶体は、573 Kで1×10-3〜7×10-3 Scm-1の範囲の高いイオン伝導度を示す。(論文) 

Single Crystal Growth of Lithium Ion Conductive Phosphates
T. Suzuki, N. Hayakawa, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Key Engineering Materials, 181-182, 179-182 (2000)
Li1.8(In0.55Zr0.45)2(PO4)3の新しい単結晶をフラックス法により成長させることに成功した。単結晶のイオン伝導度を、a軸に平行と垂直の二つの方向で測定した。一桁大きなイオン伝導度がa軸に垂直な報告で観測された。これは、Fe2(SO4)3タイプの構造におけるLiイオンのネットワークに沿ってLiイオンがより容易に伝導するというLiサイトの環境によるものである。(論文)

Crystal Structure of Fe16N2
K. Toda, M. Honda, Y. Orihara, M. Sato and F. Kanamaru
Key Engineering Materials, 181-182, 213-216 (2000)
巨大飽和磁化を持つFe16N2の高純度の試料を、Fe超微粒子の110 ℃で10日間の窒化により合成した。Rietveld解析によって決定した結晶構造は、以前に報告された結晶構造モデルと類似していることがわかった。しかしながら、鉄原子の位置は両方のモデルで異なっている。すべての理論研究者は、古い構造モデルに基づく以前の理論研究を改訂する必要がある。(論文)

Physical Properties of Non-Stoichiometric Rare Earth Orthoniobates
K. Toda, M. Honda, Y. Ishimoto and M. Sato
Key Engineering Materials, 181-182, 217-220 (2000)
Eu3+をドープした非化学量論の希土類オルソニオブ酸塩、(Gd1-xEux)yNbO4-1.5(1-y)、の異常な蛍光特性を研究した。非化学量論オルソニオブ酸塩の蛍光強度は、yの値の減少に伴い増加し、y = 0.6で極大になる。この増大は非化学量論のオルソニオブ酸塩における酸素欠損を持つニオブ酸塩基の非効率的な非輻射緩和により説明される。(論文)

Trivalent Ionic Conductivity of Perovskite-Type Yx(Ta3xW1-3x)O3
N. Sakai, K. Toda and M. Sato
Electrochemistry, 68, 504-506 (2000)
きわめてAサイトが欠損したペロブスカイト構造を持つYx(Ta3xW1-3x)O3 (0≦x≦0.33)の固溶体を固相反応で合成し、高い三価イオン伝導性を示すことを見いだした。Yx(Ta3xW1-3x)O3におけるx = 0.06を持つ固溶体が653 Kで2.58×10-5 Scm-1の最も高い伝導度を示した。(論文)

Oxygen defect in non-stoichiometric europium orthoniobate, EuxNbO4-1.5(1-x)
K. Toda, M. Honda, Y. Ishimoto, Z-G. Ye and M. Sato
Solid State Ionics, 136-137, 25-30 (2000)
炭酸ルビジウムフラックスを用いて合成した非化学量論オルソニオブ酸塩EuxNbO4-1.5(1-y)の結晶化学を研究した。格子パラメータは、オルソニオブ酸塩における希土類の含有量に伴い明確に変動する。炭酸ルビジウムを用いない系においては、非化学量論の化合物は単一相として得られない。これらの非化学量論化合物は新しい酸化物イオン伝導体として有望である。(論文)

Enhancement of discharge capacity of Li3V2(PO4)3 by stabilizing the orthorhombic phase at room temperature
M. Sato, H. Ohkawa, K. Yoshida, M. Saito, K. Uematsu and K. Toda
Solid State Ionics, 136-137, 25-30 (2000)
Li3V2(PO4)3および固溶体Li3(V1-xZrx)2(PO4)3を固相反応により合成した。Fe2(SO4)3タイプのLi3V2(PO4)3の高温斜方晶相はx = 0.05を越える置換比でVをZrに置換することにより室温で安定化される。リチウムイオン電池の正極材料としての充放電サイクル特性における改善は斜方晶相における無秩序化したリチウムイオン配列によることが示唆される。(論文)

New synthetic route of perovskite material in the test tube
K. Toda, S. Tokuoka, K. Uematsu and M. Sato
The Second International Conference on Inorganic Materials, Santa Barbara, USA, (2000), PROGRAMME & ABSTRACTS, P145
フッ素を含有する一層の層状ペロブスカイトK2NbO3Fを室温で水に浸漬するだけで、層間のカリウムとフッ素が選択的に溶出し、立方ペロブスカイト構造への構造変化が起きることを見いだした。 EPMAおよびXRDのデータから、水への浸漬後に成分中のKFが水中に溶出すること、そしてこのKFの溶出が基本構造であるペロブスカイトブロックを保持したまま進行していることが確認された。(国際会議)

Synthesis and Electrical Properties Novel Ion Conducting Perovskites
M. Sato, K. Toda, Y. Aoyama, N. Sakai and M. Sasagawa
The Second International Conference on Inorganic Materials, Santa Barbara, USA, (2000), PROGRAMME & ABSTRACTS, P49
きわめてAサイトが欠損したペロブスカイト固溶体Li3yLa1-3y(Nb1-xWx)3O9を合成した。この固溶系におけるBサイトイオンの置換に対するイオン伝導の依存性を研究した。Li0.3La0.816Nb2.75W0.25O9が室温で2.93×10-5 Scm-1の最も高い伝導度を示した。(国際会議)

New synthetic route of perovskite material in the test tube
K. Toda, S. Tokuoka, K. Uematsu and M. Sato
The 1st Asian Meeting on Electroceramics, Kawasaki, JAPAN, (2000), Extended abstracts, pp. 60
フッ素を含む一層のペロブスカイト K2NbO3Fを水に浸漬するだけで層間のカリウムとフッ素が選択的に溶出し、三次元骨格を持つペロブスカイト構造への変化が起こることを発見した。これは一般には高温でのみ起こりうるイオンの拡散と結晶格子の組み替えが室温の溶液中で起こることを示している。三次元骨格の形成に対する共存イオンの影響を調査した。(国際会議)

Room temperature synthesis and characterization of perovskite compounds
S. Tokuoka, K. Toda, K. Uematsu and M. Sato
International Symposium on Soft Solution Processing, Tokyo, JAPAN, (2000), ABSTRACTS, pp. 46
フッ素を含有する一層の層状ペロブスカイトK2NbO3Fを室温で水に浸漬するだけで、層間のカリウムとフッ素が選択的に溶出し、立方ペロブスカイト構造への構造変化が起きる。アルカリ金属塩の水溶液中ではイオン交換により、媒体に含まれるアルカリ金属を含んだペロブスカイトが形成される。これは、室温での新しいペロブスカイト合成法である。(国際会議)

Search for New Superconducting Oxides using Soft Chemistry
K. Toda, T. Teranishi, Y. Tadahira, K. Uematsu and M. Sato
International Symposium on Soft Solution Processing, Tokyo, JAPAN, (2000),  ABSTRACTS, pp. 47
アルカリ金属をインターカレーションした層状ペロブスカイトMCa2Nb3O10およびMCa2Ta3O10 (M = KおよびNa)の結晶構造と磁気特性を研究した。Nb系に化合物において6 K以下の低温で超伝導性が確認された。超伝導転移温度は、結晶構造に関連したバンド幅により大きく変化し、電子相関の影響が示唆される。(国際会議)

Improvement of cycle performance of Fe2(SO4)3 cathode for lithium ion battery
H. Okawa and M. Sato
Pacifichem2000, Honolulu, USA, (2000), BOOK OF ABSTRACTS, INOR 27
Fe2(SO4)3は、リチウムイオン二次電池において約3.7 Vの高い放電電圧を示すが、サイクル特性は非常に低い。本研究では、Fe2(SO4)3のFeサイトをAlおよびInで置換することにより良好なサイクル特性を得ることを試みた。In 10 mol%置換の試料が良好なサイクル特性を示した。(国際学会)

Synthesis and electrical properties of novel ion conducting rare earth perovskites
K. Toda, M. Sato, Y. Aoyama and N. Sakai
Pacifichem2000, Honolulu, USA, (2000), BOOK OF ABSTRACTS, INOR 162
きわめてAサイトが欠損したペロブスカイト固溶体Li3yLa1-3y(Nb1-xWx)3O9を合成した。この固溶系におけるBサイトイオンの置換に対するイオン伝導の依存性を研究した。ペロブスカイト型イオン伝導体におけるイオン伝導に大きく影響する要因がAサイトイオンの無秩序配列と空孔濃度であることが確認された。(国際会議)

Research and characterization of new long afterglow phosphors
K. Toda, Y. Imanari, J. Miyoshi and M. Sato
Pacifichem2000, Honolulu, USA, (2000), BOOK OF ABSTRACTS, INOR 163
秩序化したオリビン-タイプの構造を持つNaGdGeO4:Tb (緑)、非化学量論の希土類オルソニオブ酸塩Y1-yNbO2.5+1.5y:Bi3+(紫)そしてアルカリ土類珪酸塩AMg2Si2O7:Eu2+(A = Ba(紫)、Sr(青)、Ca(黄))において長残光現象を見いだした。(国際学会)
 


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New Synthetic Route of Perovskite Material in the Test Tube
K. Toda, S. Tokuoka, K. Uematsu and M. Sato
Key Engineering Materials, 214-215, 67-74 (2002)
フッ素を含有する一層の層状ペロブスカイトK2NbO3Fを室温で水に浸漬するだけで、層間のカリウムとフッ素が選択的に溶出し、立方ペロブスカイト構造への構造変化が起きる。アルカリ金属塩の水溶液中ではイオン交換により、媒体に含まれるアルカリ金属を含んだペロブスカイトが形成される。これは、室温での新しいペロブスカイト合成法である。(論文)

Synthesis and characterization of Perovskite-type ionic conductor: Li3yLa1-3y(Nb1-xWx)3O9
Y. Aoyama, A. Komeno, K. Toda and M. Sato
Key Engineering Materials, 216, 135-140 (2002)
きわめてAサイトが欠損したペロブスカイト固溶体Li3yLa1-3y(Nb1-xWx)3O9を合成した。この固溶系におけるBサイトイオンの置換に対するイオン伝導の依存性を研究した。Li0.3La0.816Nb2.75W0.25O9が室温で2.93×10-5 Scm-1の最も高い伝導度を示した。(論文)

Hydrothermal Synthesis of Iron Phosphate Cathode Materials
S. Tajimi, H. Ohkawa, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
International Conference on Solid State Ionics, Australia, (2001), Extended abstract, p. 66.
Fe2(SO4)3型構造をもつLi3Fe2(PO4)を水熱反応と低温加熱の二段階処理を経て合成した。Li/Li+に伴う電圧は2.7-2.8Vであり、放電容量は0.5 mAcm-2あたり80 mAhg-1であった。(国際学会)

Room Temperature Synthesis and Characterization of Perovskite Compounds
K. Toda, S. Tokuoka, K. Uematsu and M. Sato
International Conference on Solid State Ionics, Australia, (2001), Extended abstract, p. 320
ソフトケミストリーの手法を用いて室温でKNbO3の合成に成功した。層状ペロブスカイト化合物K2NbO3Fを室温の水中で2時間攪拌することにより、高温処理を行うことなくKFが水中に溶け出し、KNbO3が形成される。(国際学会)

新しい長残光蛍光体の探索
戸田 健司・今成 裕一郎・野々川 貴志・上松 和義・佐藤 峰夫
JOUNAL OF ECOTECHNOLOGY RESERCH, Vol. 7, No. 2, pp. 158-159, 2001.
我々は母体として安価なアルカリ土類珪酸塩を選定し、系統的な探索により新しい長残光体であるAkermanite型化合物の開発に成功した。この蛍光体の残光特性は、市販のアルミ系長残光体に匹敵する。この長残光は青から黄色まで多彩な発光色を自由に制御できることも明示した。(国際学会)

フラックス法を用いたPDP用蛍光体の形態制御
稲田 直樹・今成 裕一郎・野々川 貴志・上松 和義・戸田 健司・佐藤 峰夫
JOUNAL OF ECOTECHNOLOGY RESERCH, Vol. 7, No. 2, pp. 194-195, 2001.
低温で合成でき、かつ形態制御も可能なフラックス法を用いて、PDP用赤色蛍光体に有望であるGdBO3:Eu3+の合成、およびその最適条件の探索を行なった。合成の際にフラックスを加えることによって、反応性が高まり、形態制御、すなわち均一な粒子の作成が可能となった。これにより、凝集の多い化学量論比のものに比べて、大幅な輝度の向上を実現できた。(国際学会)

層状ペロブスカイトの光触媒特性
川上 正人・辻 由浩・上松 和義・戸田 健司・佐藤 峰夫・北山 淑江
JOUNAL OF ECOTECHNOLOGY RESERCH, Vol. 7, No. 2, pp. 196-197, 2001.
Dion-Jacobson相のタンタル系三層層状ペロブスカイト化合物の組成を変化させることによりバンドギャップに変化を与え、水の分解に関して、その光触媒活性がどのように変化するのかを観察した。光触媒における水分解のバンドギャップに関するしきい値が存在することを明らかにした。(国際学会)
 


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珪酸塩系長残光蛍光体の合成と評価
戸田健司、今成裕一郎、野々川貴志、三好潤一、上松和義、佐藤峰夫
Journal of Ceramic Society of Japan, 110, 283-288 (2002)
Akermanite型構造を持つアルカリ土類珪酸塩Sr2MgSi2O7およびCa2MgSi2O7に発光イオンとして二価のEu、トラップイオンとして三価のDyまたはNdを共ドープした時に、目視で確認できるほどの長く明るい長残光現象が確認された。残光は、市販の蛍光灯で5分間の励起後に、100分以上目視によって確認できるほど長いものである。(論文)

Crystal Structure of Trivalent Ion Conductive Perovskite: Yx(Ta3xW1-3x)O3
K. Toda, Y. Aoyama and M. Sato
Key Engineering Materials, 228-229, 277-280 (2002)
きわめてAサイトが欠損したペロブスカイト構造を持つYx(Ta3xW1-3x)O3の結晶構造を中性子回折パターンに対するRietveld精密化により決定した。Rietveld精密化は、x = 0.06を持つ無秩序相が空間群Pnma(No.62)そして格子パラメータa = 0.5373(3)、b = 0.7547(5)、c = 0.5297(3) nmの斜方晶であることを示した。(論文)

層状ペロブスカイトの光触媒特性
川上正人、辻由浩、清水研一、上松和義、戸田健司、佐藤峰夫、北山淑江
Journal of Ecotechnology Research, 8, 47-52 (2002)
三層の層状ペロブスカイトRbLaxCa2-xTa3-xTixO10(x = 0〜2)の光触媒特性を報告する。RbLaxCa2-xTa3-xTixO10(x = 0〜2)の多結晶試料は、通常の固相反応法により合成した。これらの試料の光触媒活性は、UV照射下での純水からのH2発生により評価した。最も高い活性は、x = 0の化合物に対して得られた。水の光触媒分解に対し、活性はTa 5dおよびTi 3d軌道により形成される伝導帯の準位に依存している。(論文) 

Characterization of Potassium Niobate Produced by Self-Assembled Nanosheet from Aqueous Solution
K. Toda, N. Ohtake, M. Kawakami, S. Tokuoka, K. Uematsu and M. Sato
Japanese Journal of Applied Physics, 41, 7021-7024 (2002)
ニオブ酸カリウムKNbO3のサブミクロンサイズの粒子をコロイド化学の手法で作製した。K2NiF4タイプの構造を持つ層状ペロブスカイトK2NbO3Fの岩塩型のKFブロックは室温で水に選択的に溶解し、ペロブスカイトナノシートを形成する。ペロブスカイトナノシートの自己組織化はニオブ酸カリウムの形態制御を可能にする。(論文)

Preparation of iron phosphate cathode material of Li3Fe2(PO4)3 by hydrothermal reaction and thermal decomposition processes
M. Sato, S. Tajimi, H. Okawa, K. Uematsu and K. Toda
Solid State Ionics, 152-153, 247-251 (2002)
斜方晶のβ-Fe2(SO4)3-タイプの構造を持つ良好な結晶性のLi3Fe2(PO4)3を二つの合成ルート、水熱反応と引き続いての比較的低い温度での熱処理を用いて合成した。試料は、放電に対し2.8 and 2.7 V vs. Li/Li+の二つのプラトーを示し、トータルの放電容量は0.5 mA cm-2で80 mAhg-1 以上である。(論文)

Room temperature synthesis and characterization of perovskite compounds
K. Toda, S. Tokuoka, K. Uematsu and M. Sato
Solid State Ionics, 154-155, 393-398 (2002)
層状ペロブスカイトK2NbO3Fにおける岩塩タイプ(KF)のブロックは室温で水に選択的に溶解し、三次元のペロブスカイト、KNbO3、を与える。アルカリ金属水溶液中で、アルカリ溶液中に存在する共存イオンと母体の層状化合物のイオン交換反応は、Aサイトに他の金属イオンを含んでいる新しいペロブスカイトをもたらす。(論文)

New synthetic route of perovskite materials in the test tube
K. Toda, K. Uematsu, N. Ohtake, S. Tokuoka and M. Sato
Ceramic Engineering and Science Proceedings, 23(4), 689-694 (2002)
準安定な正方晶のKNbO3を層状ペロブスカイトK2NbO3Fから室温の2から96時間のトポケミカル反応により合成した。岩塩タイプのKFブロックは室温で水に選択的に溶解し、三次元のペロブスカイトKNbO3を与える。(論文)

Search for new vacuum-UV phosphors
K. Toda, K. Uematsu, Y. Imanari, T. Nonogawa and M. Sato
Ceramic Engineering and Science Proceedings, 23(4), 861-868 (2002)
ミレニアムプロジェクトは水銀フリー蛍光ランプ用蛍光体の開発に焦点を当てている。本報は、真空紫外励起の下で効率的な蛍光体材料に対する最近の研究を叙述する。秩序化したオリビン構造を持つNaLnGeO4(Ln = 希土類)は、真空紫外励起の下で高い効率の蛍光を示す優れたホストである。(論文)
 


2003年  ページの先頭へ

天然鉱石‘蛇紋岩’からの蛍光体の合成
今成裕一郎、野々川貴志、三好潤一、戸田健司、上松和義、佐藤峰夫、小菅勝典、西須佳宏、小林幹男
Journal of Ceramic Society of Japan, 111, 151-154 (2003)
出発原料に天然鉱石である蛇紋岩を用いて長残光蛍光体Sr2MgSi2O7の合成に成功した。二価のEuイオンと三価のDyイオンを付活した化合物は、長残光蛍光を示す。これは、天然鉱石である蛇紋岩をアルカリ土類珪酸塩蛍光体の合成に利用できるということを実証している。(論文)

New VUV Phosphor, NaLnGeO4:Eu3+ (Ln = Rare Earth)
K. Toda, Y. Imanari, T. Nonogawa, K. Uematsu and M. Sato
Chemistry Letters, 32, 346-347 (2003)
Eu3+ドープの秩序化オリビン構造のNaLnGeO4 (Ln = 希土類)の合成と蛍光特性を報告する。真空紫外励起の下で、この蛍光体は5D0-7F2遷移に基づく強い赤色発光を示す。147 nmの励起の下での最適の組成と合成条件のNa(Y0.3Gd0.65Eu0.05)GeO4蛍光体の輝度は、(Y0.95Eu0.05)2O3のものよりも高い。(論文)

Reaction Mechanism of Perovskite KNbO3 in Aqueous Solution
K. Toda, S. Tokuoka, N. Ohtake, K. Uematsu and M. Sato
Key Engineering Materials, 248, 27-30 (2003)
ニオブ酸カリウムKNbO3 の超微粒子をソフト化学により作製した。層状ペロブスカイトK2NbO3F,の岩塩型のKFブロックは選択的に水に溶解し、室温でニオブ酸塩ナノシートを含んでいるコロイド溶液を与える。コロイド溶液におけるナノシートの自己組織化は、ニオブ酸カリウムの超微粒子を与える。ソフト化学合成したKNbO3の結晶構造は、Rietveld 精密化法により決定した。(論文)

Low Temperature Synthesis of Titania and Titanates
K. Toda, M. Kawakami, K. Uematsu and M. Sato
Key Engineering Materials, 248, 107-110 (2003)
微粒子の酸化チタン粉末を、HNO3水溶液に溶解した層状ペロブスカイトチタン酸塩、NaLaTiO4、から合成した。結晶性のルチル型のTiO2粉末が蒸発乾固(90 ℃)により得られる。得られた結晶性のTiO2粉末の結晶性、光学特性そして光触媒特性に対する合成条件の影響を調べた。(論文)

Low Temperature Synthesis of Titanium oxide
K. Toda, M. Kawakami, K. Uematsu and M. Sato
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 28, 313-316 (2003)
新しい溶液ベースの合成法を低温で結晶性のルチルタイプのTiO2粒子を合成するために開発した。秩序化したK2NiF4タイプの構造を持つ層状ペロブスカイトチタン酸塩、NaLnTiO4、(Ln = 希土類)を、90 ℃で結晶性のルチル型チタニアを得るためにHNO3溶液に溶解する。結晶性のTiO2粉末は、HNO3溶液に溶解した粒子の蒸発乾固により得られる。合成した粉末を、粉末X-線回折、蛍光X線解析、そしてSEMにより評価した。(論文)

Synthesis of KNbO3 in Water
K. Toda, S. Tokuoka, N. Ohtake, K. Uematsu and M. Sato
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 28, 353-356 (2003)
ニオブ酸カリウムKNbO3の超微粒子を新しいコロイド法により作製した。K2NiF4タイプの構造を持つ層状ペロブスカイトK2NbO3 Fにおける岩塩型のKFブロックは選択的に水に溶解し、室温でペロブスカイトナノシートを与える。コロイド溶液におけるペロブスカイトナノシートの自己組織化は、良好な結晶性のニオブ酸カリウム粉末を与える。結晶構造は、粉末中性子回折パターンのRietveld 精密化により決定した。(論文)

Green VUV phosphor with spinel structure, Mg1-xZnxAl2-yGayO4:Mn
K. Toda, N. Inada, Y. Imanari, R. Arai, K. Uematsu, M. Sato, K. Ohno and S. Miyazaki
Journal of Materials Science Letters, 22, 979-980 (2003)
緑色発光する真空紫外励起用蛍光体Mg1-xZnxAl2-yGayO4:Mnを通常の固相反応により合成した。蛍光体の組成と輝度の関係を調査した。Mg0.92Zn0.05Mn0.03Al2O4,の組成がVUV(147 nm)励起の下で最も高い輝度を示した。(論文)

Sr-Al-B-O系におけるEu付活蛍光体の評価
三好潤一、戸田健司、上松和義、佐藤峰夫、西須佳宏、小林幹男
Journal of Ecotechnology Research, 9, 137-142 (2003)
低温で反応可能なAl(OH)3をアルミニウム源として用いることで、900から1000 ℃の低温で、Sr-Al-B-O系の蛍光体の合成に成功した。仕込み比(Sr1-xEux) : Al : B = 2:2:2(x = 0.01)の組成で残光を示すSrAl2O4:Eu2+を含む透明性の高い結晶化ガラスが得られた。仕込み比(Sr1-xEux) : Al : B = 1:2:2(x = 0.01)の層状構造を持つ単一相のSrAl2B2O7:Eu2+は,紫外および真空紫外励起のどちらでも青色の発光を示した。(論文) 

セルフラックス法による真空紫外励起蛍光体の合成
稲田直樹、戸田健司、上松和義、佐藤峰夫、西須佳宏、小林幹男
Journal of Ecotechnology Research, 9, 143-147 (2003)
フラックス法を用いることで赤色蛍光体GdBO3:Eu3+の形態を制御し、輝度の向上を図った。UVおよびVUV励起下で、輝度の大幅な向上を確認した。最適なフラックスの選択および組合せは、励起光の種類により異なり、反応の促進、反応への関与および微量の不純物の形成を考慮して、使用するフラックスを選定することが重要であった。(論文)

最近のリチウムイオン伝導帯の開発動向
佐藤峰夫
マテリアルインテグレーション, 44, 1-6 (2001)
最近相次いで見いだされた結晶性のリチウムイオン伝導体に焦点を当て、この劇的ともいえる高導電性リチウムイオン伝導体開発の一端を紹介する。(解説)
 


2004年  ページの先頭へ

Structure Analysis of A-Site Defect Perovskite-Type Crystal
A. Komeno, Y. Aoyama, K. Toda, M. Sato and K. Uematsu
Key Engineering Materials, Vol. 269, pp. 11-14 (2004)
ペロブスカイト関連化合物Yx(Ta3xW1-3x)O3の結晶構造を中性子回折パターンのRietveld解析により決定した。x = 0.22を持つ秩序相が空間群C2/c(No.15)そして格子パラメータa = 0.764(1)、b = 0.764(1)、c = 0.763(1) nm、β = 90.36°の単斜晶であることを示した。(論文) 

Mechanoluminescen Phenomenon of Niobates
D. Sakuraba, K. Toda, K. Uematsu and M. Sato
Key Engineering Materials, Vol. 269, pp. 99-104 (2004)
コロンバイト構造を採り、発光材料、誘電体合成の前駆体として用いられているMNb2O6(M = Ca、Mg)において応力や摩擦などの外部エネルギーを加えることで発光するメカノルミネッセンス現象を見いだした。発光イオンとして希土類などを付活することでメカノルミネッセンスの発光色を制御することが可能であった。(論文)

Preparation of KNbO3 Nanoparticles at Room Temperature
K. Toda, H. Sato, A. Sugawara, S.Tokuoka, K. Uematsu, M. Sato, A. A. Bokov and Z-G. Ye
Key Engineering Materials, Vol. 269, pp. 165-168 (2004)
単純な溶液反応を用いて、ニオブ酸カリウムKNbO3の超微粒子を室温で合成した。前駆体溶液および合成したままの状態の試料を可視紫外分光法およびNb K吸収端X線吸収微細構造法により評価した。両方のデータとも、ニオブ酸塩のナノシートが低い配位数を持つ歪んだNb-O多面体から成っていることを示した。(論文)

Structural Characterization of Bismuth Layered Perovskite Treated with Acids
T. Aoyagi, K. Toda, K. Uematsu and M. Sato
Key Engineering Materials, Vol. 269, pp. 181-184 (2004)
最近、野口らはSrBi2Ta2O9のSrを希土類に部分的に置換することにより強誘電体メモリー特性が向上することを報告している。そこで、本研究では、Sr1-3x/2LaxBi2Ta2O9を塩酸処理により層間イオンだけを選択的に溶解し、空孔および希土類の置換サイトを調査した。試料の焼成温度の上昇につれてLaのAサイト占有率が上昇することを確認した。(論文)

Intelligent Reactions of Inorganic Phosphor Materials with Microwave Heating
K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Chemistry Letters, Vol. 33, pp. 990-991 (2004)
YVO4:Eu3+およびMg2SnO4:Mn2+蛍光体を市販の電子レンジを用いて合成した。出発物質にマイクロ波を照射したとき150秒以内に1111から1716 Kまで温度が上昇し、マイクロ波の連続的な照射にもかかわらず温度が急激に低下する。反応生成物の低い誘電損が反応完結時の急激な温度低下の原因である。(論文)

高温処理したシリカゲルおよび多孔質ガラスを吸着剤に用いたトリチウム水の濃縮
上松和義、戸田健司、佐藤峰夫
RADIOISOTOPES, Vol. 53, pp. 435-443 (2004)
1100℃までの温度範囲で熱処理を行ったシリカゲルおよび多孔質ガラスを吸着剤に用いて、トリチウム水の吸着濃縮を行った。トリチウム水は通常の水と比べ強く吸着されていることがわかった。熱処理に伴うシラノール基の変化と濃縮作用の関係を調査した。(論文)

Colloid Chemistry of Layered Perovskite Niobate
K. Toda, K. Shimizu, H. Sato, A. Sugawara, K. Uematsu and M. Sato
Transactions of the Materials Research Society of Japan, Vol. 29, pp. 2399-2402 (2004)
室温で新しいコロイド化学の手法を用いての良好に結晶化したナノ粒子のニオブ酸カリウムKNbO3の反応メカニズムを報告する。コロイド溶液およびナノ粒子におけるペロブスカイトナノシートの局所構造は、Nb K吸収端XAFSにより調査した。XANESおよびEXAFSデータは、両方のデータとも、ニオブ酸塩のナノシートが低い配位数を持つ歪んだNb-O多面体から成っていることを示した。(論文)

Enhanced electrochemical performance of LiFePO4 prepared by hydrothermal reaction
S. Tajimi, Y. Ikeda, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Solid State Ionics, Vol. 175, pp. 287-290 (2004)
良好に結晶化したLiFePO4粒子を水熱反応により作製した。出発反応溶液へのポリエチレングリコール(PEG)の添加により作製した粒子は、狭い粒子サイズ分布を持った0.5-1.5μmの微細結晶である。リチウム二次電池としての試料の初期放電容量は、0.5 mAcm-2で143mAhg-1に達し、PEGなしで水熱反応により合成したものよりも大きい。(論文)

水銀フリーランプ用の新しい蛍光体の開発
戸田健司
マテリアルインテグレーション, 17, 15-20 (2004)
希ガス励起の真空紫外線により発光する水銀フリーランプは、次世代の水銀フリー蛍光照明技術として有望である。水銀フリーランプで利用される現在の真空紫外線励起により発光する蛍光体の問題点と新しい材料の開発状況を解説する。(解説)

水銀フリーランプ用の新しい蛍光体の開発
戸田健司
株式会社ティー・アイ・シィー編,高効率希土類蛍光体とその応用, 第7章第1節 (2005)
本書は、月刊「マテリアルインテグレーション」に掲載された希土類系蛍光体についての記事を系統的にまとめ、微粒子の合成法や改質法からその応用までを解説したものであり、第7章第1節にマテリアルインテグレーション誌の解説が再録されている。(解説)

Characterization of YVO4:Eu3+ Phosphors Synthesized by Microwave Heating Method
K. Uematsu, A. Ochiai, K. Toda, M. Sato
Rare Earths ’04 in Nara Japan BOOK OF ABCTRACTS 1, pp. 183 (2004)
マイクロ波加熱による無機化合物の合成は、焼成時間の短縮による省エネルギー化、高い均一性、特有の微細構造と特性、さらに固相反応ではできないような新規化合物の合成が可能となるという観点から注目されている。本研究では、マイクロ波加熱によるYVO4:Eu3+の合成と特性評価を行った。(国際会議)

Luminescence Property of New VUV Phosphor Ba2MgSi2O7:Eu
Komeno, K. Toda, K. Uematsu, M. Sato
Rare Earths ’04 in Nara Japan BOOK OF ABCTRACTS 1, pp. 185 (2004)
本研究では新規VUV蛍光体であるBa2MgSi2O7:Eu2+を合成しその蛍光特性を報告する。Ba2MgSi2O7:Eu2+はVUV励起下で強い発光を示すことを確認した。(国際会議)

VUV Phosphors on Ternary System SrO-B2O3-P2O5
Y. Komatsu, A. Komeno, K. Toda, K. Uematsu, M. Sato
Rare Earths ’04 in Nara Japan BOOK OF ABCTRACTS 1, pp. 189 (2004)
本研究ではSrO-B2O3-P2O5系蛍光体の合成を行いVUV励起下で強い発光を示すことおよび熱劣化に強いことを確認した。(国際会議)

Luminescence Properties of Long-persistent Slicate Phosphors
Y. Ito, A. Komeno, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
Rare Earths ’04 in Nara Japan BOOK OF ABCTRACTS 1, pp. 190 (2004)
近年、放射線同位元素を一切使用せず従来の蛍光体に比べ高輝度な長残光特性を示す長残光蛍光体の発光色は緑色を中心とした比較的波長範囲が狭いものに限られており、多彩な発光色を持たない。そこで多彩な発光色、特に白色示すような長残光蛍光体が合成できれば、その応用範囲は大きく拡大すると考えられる。本研究ではCa0.5Sr1.5Al2SiO7にCe3+とTb3+を共賦活することで、白色長残光蛍光体の合成を行った。(国際会議)

Luminescence Properties of Red Long Persistent Phosphors, BaMg2Si2O7:Eu2+, Mn2+
S. Abe, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
Rare Earths ’04 in Nara Japan BOOK OF ABCTRACTS 1, pp. 190 (2004)
近年、従来の蛍光体に比べ非常に優れた特性を持つ長残光蛍光体SrAl2O4:Eu2+, Dy3+, CaAl2O4:Eu2+, Dy3+が注目されている。しかし、これらの蛍光体の発光色は青,緑であり、白色の長残光を得るために赤色の残光体の開発が望まれている。そこで、本研究ではBaMg2Si2O7:Eu2+,Mn2+を合成しその赤色残光特性の評価を行った。(国際会議)

Recent Research and Development of Vacuum Ultraviolet Phosphors for Mercury-free Lamp
K. Toda
Rare Earths ’04 in Nara Japan BOOK OF ABCTRACTS 1, pp. 109 (2004)
平成12年から3年間行われたミレニアムプロジェクト「水銀フリーランプ用蛍光体の開発」で、我々は従来まで真空紫外励起用蛍光体として評価されていなかった500種以上の酸化物試料について、真空紫外励起蛍光体としての特性評価を行った。その成果の一部である赤および青色蛍光体の開発について述べた。(国際会議)

Development of long afterglow UV emission phosphors
M. Hosoume, K. Toda, K. Uematsu, M. Sato
JOURNAL OF ECOTECHNOLOGY RESEARCH, Vol. 10, No. 4, pp. 238-239 (2004)
紫外線を蓄光する蛍光体の開発を行った。Sr2Al2SiO7Ce3+を付活することで、励起を停止した後も長時間にわたり紫外線を発光することを確認した。この蛍光体を励起源にすることにより既存の多くの蛍光体を残光蛍光体として利用できる。(国際会議)

Synthesis and photocatalytic property of new tantalate
H. Kibe, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
JOURNAL OF ECOTECHNOLOGY RESEARCH, Vol. 10, No. 4, pp. 246-247 (2004)
化石燃料の燃焼時に発生するCO2排出量は年々増加の一途をたどり、地球温暖化の原因となっている。CO2排出の少ない新しいエネルギー変換方法として、燃料電池が注目されているが、原料となる水素をいかにクリーンに製造するかが問題となっている。そこで本研究では光触媒NaRbLaTaO5を合成し、水分解に対する光触媒活性を評価した。(国際会議)

Photocatalytic Activity of Barium Tantalum Oxide
T. Matsumoto, K. Toda, K. Uematsu, M. Sato
JOURNAL OF ECOTECHNOLOGY RESEARCH, Vol. 10, No. 4, pp. 254-255 (2004)
現在H2を製造する場合、化石燃料(主に石油)を使用しているが、枯渇問題や改質と同時に発生するCOなどが問題となっている。そこで他のH2製造法として、光触媒による水分解が挙げられる。本研究ではBa-Ta系酸化物を用いて水分解することでH2の発生が確認できた。Ba-Ta系酸化物は水分解に高活性であると考えられる。(国際会議)

Synthesis and electrochemical properties of LiFePO4 by microwave heating
A. Ochiai, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
JOURNAL OF ECOTECHNOLOGY RESEARCH, Vol. 10, No. 4, pp. 264-265 (2004)
本研究室では、このマイクロ波を用いて現在リチウムイオン二次電池の正極材料として注目されているLiFePO4の合成を行った。LiFePO4およびその原料はマイクロ波の吸収が比較的小さいため、電子伝導性をもつアセチレンブラックを添加してマイクロ波加熱を行なった。得られたLiFePO4の特性を評価した。(国際会議)

VUV Luminescence of Y2O3:Eu3+ with Alkali Metal Co-doping
K. Toda, Y. Imanari, K. Uematsu, M. Sato
JOURNAL OF ECOTECHNOLOGY RESEARCH, Vol. 10, No. 4, pp. 286-287 (2004)
現在、水銀を用いた蛍光ランプ用蛍光体として利用されているY2O3:Eu3+は、低い対称性のために自然な赤色発光を示すが、VUV励起下での発光効率は低い。そこで本研究では、蛍光体の結晶性を高めたり、形態を制御することにより発光強度を改善するフラックス効果をもつアルカリ金属イオン成分を添加したY2O3:Eu3+を合成し、VUV励起下での発光特性を調査した。(国際会議)

Characterization of Mg2SnO4:Mn2+ phosphors synthesized by microwave heating method
K. Uematsu, A. Ochiai, K. Toda, M. Sato
JOURNAL OF ECOTECHNOLOGY RESEARCH, Vol. 10, No. 4, pp. 290-291 (2004)
マイクロ波を用いた加熱は非加熱物にマイクロ波を直接吸収させて自己発熱させる方法であり、従来の電気炉加熱に比べエネルギー加熱効率が高いのが特徴である。さらに急速加熱や不均質加熱の効果により新たな特性を持つ材料の開発も期待されている。本研究では、マイクロ波加熱によるMg2SnO4:Mn2+の合成と特性評価を行った。(国際会議)

Removal of fluorine from waste water by Ca9Al6O18 and Ca12Al14O33
H. Morinaga, T. Tokumitsu, K. Toda, K. Uematsu, M. Sato
JOURNAL OF ECOTECHNOLOGY RESEARCH, Vol. 10, No. 4, pp. 314-315 (2004)
平成13年6月、水質汚濁防止法が改正され、フッ素の排水基準が15 mg/lから8 mg/lへと規制が厳しくなった。そのため、従来のフッ化物イオン処理法でフッ素を除去することが難しくなってきた。よって、本研究では、セメントの特性とスラグの特性両方を兼ね備えているCa9Al6O18 (C9A3) および Ca12Al14O33 (C12A7)によるフッ素除去能およびフッ素除去メカニズムの解明を行なった。(国際会議)

Crystal Structure determination of Ca0.5Sr1.5Al2SiO7:Ce3+ by Neutron Diffraction
Y. Ito, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
ACTIVITY REPORT ON NEUTRON SCATTERING RESEARCH, Vol. 11, pp. 44 (2004)
本研究は、長残光蛍光体Ca0.5Sr1.5Al2SiO7:Ce3+の結晶構造解析を中性子回折で得られたデータをもとに行ったものである。結晶構造解析から発光イオンであるCe3+は、Ca / Srサイトに置換されているということを確認した。(報告書)

Structure Determination of Lithium Ion Conductor Li4GeSe4 with Thio-LISICON Related Structure by Neutron Diffraction
M. Sato, T. Makita, K. Uematsu, and K. Toda
ACTIVITY REPORT ON NEUTRON SCATTERING RESEARCH, Vol. 11, pp. 58 (2004)
本研究は、リチウムイオン伝導体Li4GeSe4の結晶構造解析を中性子回折で得られたデータをもとに行ったものである。解析結果よりLiSe4四面体中のLiイオンとアニオンの平均距離がLi4GeS4と比べ長く、Li4GeSe4がリチウムイオン伝導体として非常に有望であるということを確認した。(報告書)

Structure Determination of Lithium-inserted Fe2(SO4)3 Cathode Materials with β-Fe2(SO4)3 Type by Neutron Diffrastion
M. Sato, Y. Katayama, S. Tajimi, K. Uematsu, and K. Toda
ACTIVITY REPORT ON NEUTRON SCATTERING RESEARCH, Vol. 11, pp. 59 (2004)
NASICON関連化合物は、イオン伝導体としてだけではなくリチウムイオン二次電池の正極材として優れた特性を持つということが知られている。本研究は、単斜晶系Fe2(SO4)3中にLiイオンを導入した際のLiの位置を中性子回折で得られたデータをもとに決定したものである。(報告書)
 


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Preparation of YVO4:Eu3+ phosphor using microwave heating method
K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Journal of Alloys and Compounds, Vol. 389, pp. 209-214(2005)
YVO 4:Eu3+蛍光体を、2.45 GHzの周波数そして500 Wの電力で駆動する市販の電子レンジを用いて合成した。Y2O3、V2O5そしてEu2O3の混合物である出発物質にマイクロ波を照射したとき150秒で1113 Kまで温度が上昇し、マイクロ波の連続的な照射にもかかわらず温度が急激に低下する。2.45 GHzでの誘電損率の測定から、V2O5によるマイクロ波エネルギーの高い吸収が混合物の温度の上昇に与えることがわかった。 (論文)

Photocatalytic Performance of Ba5Ta4O15 to Decomposition of H2O into H2 and O2
H. Otsuka, K. Kim, A. Kouzu, I. Takimoto, H. Fujimori, Y. Sakata, H. Imamura, T. Matsumoto and K. Toda
Chemistry Letters, Vol. 34, pp. 822-823(2005)
H2OのH2とO2への分解におけるバリウムタンタル酸塩の光触媒特性を研究した。Taリッチな組成が著しい活性を示した。同様の条件の下で、その活性はすべての合成したアルカリ土類-タンタル複合酸化物の中で最も高かった。(論文)

シリカサンドからの蛍光体の合成
野々川貴志、今成裕一郎、戸田健司、白倉重樹、上松和義、佐藤峰夫、戸田彩乃、西須佳宏、小林幹男
Journal of Ceramic Society of Japan, Vol. 113, pp. 442-445(2005)
天然鉱石であるシリカサンドを原料に, 珪酸塩系長残光蛍光体Sr-akermanite (Sr0.98Eu0.01Dy0.01)2MgSi2O7の合成を検討した。シリカサンドを用いて合成したSr-akermaniteの発光および残光を確認することができ、その発光強度は高純度原料より合成した試料に匹敵するものであった。 (論文)

New Phosphors for Mercury-free Illumination
K. Toda, Y. Ito, M. Kawamoto, Y. Komatsu, A. Komeno, K. Uematsu and M. Sato
Transactions of the Materials Research Society of Japan, Vol. 30, pp. 433-436(2005)
新しい真空紫外(VUV)励起可能な青色蛍光体Sr6BP5O20:Eu2+の蛍光特性を調査した。Sr6BP5O20:Eu2+は、VUV励起の下で明るい青緑の蛍光を示した。組成(Sr0.99Eu0.01)6BP5O20が147 nmの励起の下で最も高い輝度を示し、それは市販のBAM蛍光体の216 %に相当する。それゆえ、このホウリン酸塩蛍光体は水銀フリーランプに対する新しいVUV蛍光体に対する魅力的な候補である。(論文)

New Tantalum Oxynitride Photocatalyst
K. Toda, Y. Yamanaka, T. Matsumto, H. Sato, K. Uematsu, M. Sato and N. Hotta
Transactions of the Materials Research Society of Japan, Vol. 30, pp. 465-468(2005)
新しいタンタル酸窒化物光触媒として水和する層状ペロブスカイト酸窒化物、K2LaTa2O6N・xH2O、を合成した。合成した酸窒化物は、粉末X-線回折、熱重量分析、UV-Visスペクトル法そしてX-線光電子分光法により評価した。酸窒化物は、高い光触媒活性を示し、光触媒的なH2O分解の進行が助触媒なしのUV照射の下で確認された。(論文)

Synthesis of KNbO3 thin film by self-assembly of perovskite nanosheets
A. Sugawara, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Transactions of the Materials Research Society of Japan, Vol. 30, pp. 583-586(2005)
KNbO3薄膜を水中に懸濁した層剥離したペロブスカイトナノシートの自己組織化により石英基板上に作製した。XAFS実験は、コロイド溶液とKNbO3のバルク試料におけるNbとOの間の結合距離の違いを示している。膜のUV-vis吸収スペクトルは、膜厚の増加に伴う吸収の増大を示し、それはペロブスカイトナノシートとK+イオンからなる自己組織化した多層の成長を示唆している。(論文)

長残光蛍光体Sr2MgSi2O7:Eu,Dyのゾルゲル合成
白倉重樹、戸田健司、今成裕一郎、野々川貴志、上松和義、佐藤峰夫、西須佳宏、小林幹男
Journal of Ceramic Society of Japan, Vol. 113, pp. 442-445(2005)
長残光蛍光体Sr2MgSi2O7:Eu,Dy薄膜をゾルゲル法により作製した。蛍光体は青緑色の長残光を示した。ゾルゲル合成した試料粉末の長残光特性は、固相反応で合成した試料の特性に匹敵する。ゾルゲル前駆体溶液を用いてシリコン基板上に1200 ℃で形成した薄膜においても、長残光現象が観察された。(論文)

Synthesis of Thin Film by Self-Assembly of Perovskite Nanosheets
A. Sugawara, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Key Engineering Materials, Vol. 301, pp. 99-104(2005)
層状ペロブスカイトK2NbO3FのK2NiF4タイプの構造における岩塩型のKFブロックトは室温で水に選択的に溶解し、ナノシートからなるコロイド溶液を形成する。自己組織化の手法を用いて、石英基板上にKNbO3薄膜を形成した。膜のUV-vis吸収スペクトルは、膜厚の増加に伴う吸収の増大を示し、それはペロブスカイトナノシートとK+イオンからなる自己組織化した多層の成長を示唆している。(論文)

Self-Assembly of Perovskite Nanosheet Colloid at Room Temperature
K. Toda, H. Sato, A. Sugawara, S. Tokuoka, K. Uematsu and M. Sato
Key Engineering Materials, Vol. 301, pp. 227-230(2005)
ペロブスカイト材料のソフト合成に対する新しい手法を提示する。ペロブスカイトK1-xLixNbO3は、室温の水中での層状ペロブスカイト前駆体K2NbO3Fと塩化リチウムとのイオン交換反応により合成した。X-線回折および蛍光X-線分析の研究は、イオン交換のメカニズムが水溶液中におけるペロブスカイトナノシートの間の自己組織化であることを示した。(論文)

Synthesis of Nitride Compounds Using Fluidized Bed
Y. Yamanaka, K. Toda, T. Matsumoto, K. Uematsu, M. Sato and N. Hotta
Key Engineering Materials, Vol. 301, pp. 231-234(2005)
均一な組成の窒化物粉末をNH3またはNH3-N2気流中での流動層を用いて金属酸化物から合成した。GaNは、二段階加熱により合成した;一つめのステップは700 ℃で1 h行い、二つめのステップは900 ℃で4 hである。GaN-ZnO固溶系は、900 ℃で4 hで合成した。生成物の粒子サイズは、開始物質より小さくなっている。(論文)

Ionic Conductivity of Layered Borate (NaxBa1-x/2)Al2B2O7
Komeno, Y. Aoyama, K. Uematsu, K. Toda, and M. Sato
ITE LETTERS, Vol. 6, pp. 331-334(2005)
Na2M2B2O7 は、[NaM2B2O7]の無限シートとシート間に位置するNa+イオンからなる。シート間のNa+イオンのイオン伝導度を決定した。(NaxBa1-x/2)Al2B2O7の固溶系もイオン伝導を示し、Na0.6Ba0.7Al2B2O7が最も高いイオン伝導度を示した。(NaxBa1-x/2)Al2B2O7はNaS電池の電解質のような層状イオン伝導体として期待できる。(論文)

Preparation of KNbO3 Thin Film by Self-Assembly of Perovskite Nanosheet
K. Toda, A. Sugawara, K. Uematsu and M. Sato
Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 44(9B), pp. 6973-6976(2005)
ペロブスカイト構造を持つニオブ酸カリウム薄膜をSiO2ガラス基板上に新しいナノシート自己組織化法により作成した。均一なナノシート前駆体溶液は、層状ペロブスカイトK2NbO3Fを室温で何ら添加物を加えることなしに室温での溶解により得られる。X線回折は、膜が擬立方晶のペロブスカイト構造を持つことを確認し、層状ペロブスカイトからペロブスカイトのKNbO3への連続的な変化を示している。(論文)

Photocatalytic Water Splitting on Ni-Intercalated Ruddlesden-Popper Tantalate H2La2/3Ta2O7
K. Shimizu, S. Itoh, T. Hatamachi, T. Kodama, M. Sato and K. Toda
Chemistry of Materials, Vol. 17(20), pp. 5161-5166(2005)
Ruddlesden-Popperタイプの水和する層状ペロブスカイトは無水のペロブスカイトよりも高い活性を示した。水和ペロブスカイトの高活性は水和構造によるものであり、光発生した電子とホールがインターカレートした物質に容易に移動できるという仮説を支持している。 (論文)

Overall Water Splitting on (Ga1-xZnx)(N1-xOx) Solid Solution Photocatalyst: Relationship between Physical Properties and Photocatalytic Activity
K. Maeda, K. Teramura, T. Takata, M. Hara, N. Saito, K. Toda, Y. Inoue, H. Kobayashi and K. Domen
The Journal of Physical Chemistry B, Vol. 109, pp. 20504-20510(2005)
GaNとZnOの間の(Ga1-xZnx)(N1-xOx) 固溶体の物性と光触媒特性を研究した。1123 Kでの5-30 hのNH3流通下でのGa2O3とZnOの混合物の窒化は、x = 0.05 - 0.22を持つ(Ga1-xZnx)(N1-xOx)固溶体の形成をもたらす。水の全分解に対する最も高い活性は、15 hの窒化後のx = 0.12を持つ(Ga1-xZnx)(N1-xOx)に対して得られた。(論文)

Al粉末の浮上式窒化反応によるAlN微粉末の合成と表面改質
堀田憲康、橋本賢太、戸田健司、鷲山宏治、堀田幹則、北條純一
Journal of the Materials Science Society of Japan, Vol. 42, pp. 272-277(2005)
AlN微粒子を、N2-NH3ガス混合物中での1550℃でのAl粉末の浮上式窒化により連続的に合成した。Al粉末の窒化に引き続き、得られたAlN粉末の表面被覆を窒化反応器の端部でパラフィン蒸気を導入する事により行った。(論文)

Combinatorial Screening and QSAR Modeling in the SrO–B2O3–P2O5 Ternary System to Search for Thermally Stable Blue Phosphors for PDPs
K-S. Sohn, J. G. Yoo, N. Shin, K. Toda and D-S. Zang
Journal of The Electrochemical Society, Vol. 17(20), pp. H213-H218(2005)
コンビナトリアルケミストリーによるEu2+ドープSrO–B2O3–P2O5系のスクリーニングを報告する。有望な蛍光特性のサンプルは格子パラメータa = 9.784Å、c = 19.01Åを持つI4-c2の対称性のSr6BP5O20:Eu2+に結晶化している。Sr6BP5O20:Eu2+の輝度は、真空紫外線励起の下でBAMの2.8倍であり、ほとんど熱劣化しないが、CIE色度はやや悪い。(論文) 

Research and Development of New Long Afterglow Silicate Phosphors
K. Toda, K. Uematsu and M. Sato
Ca0.5Sr1.5Al2SiO7にCe3+とTb3+を共賦活した蛍光体は白色の長残光を示した。これは単一の蛍光体が発する白色長残光の初めての例である。(国際会議)

New Silicate Phosphors for White LED
K. Toda, Y. Kawakami, S. Kousaka, Y. Ito, A. Komeno, K. Uematsu, M. Sato
Proceedings of The 12th International Display Workshops in conjuction with Asia Display 2005, PHp-5
白色LED用のケイ酸塩蛍光体の開発を報告する。近紫外および可視光励起の下での蛍光特性と新しく開発したケイ酸塩系蛍光体の結晶構造の関係について述べる。 (国際会議)

Synthesis and Luminescence Properties of New LED Yellow Phosphor Li2SrSiO4:Eu2+
Y. Ito, M. Kawamoto, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
Proceedings of The 12th International Display Workshops in conjuction with Asia Display 2005, PHp-7
Li2SrSiO4:Eu2+蛍光体は、可視光(400〜480 nm)の励起の下で、570 nmの黄色の発光を示す。発光強度は, 現行のYAG:Ce3+蛍光体に匹敵する。(国際会議)

Synthesis and photocatalytic property of new tantalate
H. Kibe, K. Toda, M. Sato, K. Uematu
Pacifichem 2005 Abstract Book
層状タンタル酸塩, NaRbNdTaO5を固相反応により合成した。NaRbNdTaO5 は、助触媒の担持なしでも水の化学量論の分解に高い活性(0.911 mmol/h H2)を示した。 (国際会議)

New layered perovskite oxynitride photocatalyst
K. Toda, H. Sato, S. Kawada, K. Uematsu, M. Sato
Pacifichem 2005 Abstract Book
水和した層状ペロブスカイト構造を持つ新規な酸窒化物光触媒K2LaTa2O6N-xH2Oを報告する。K2LaTa2O6N-xH2Oは高活性の光触媒として働き、そして助触媒なしに紫外線照射下で水を分解できる。これは、水和した層間空間を持つタンタル酸窒化物光触媒の初めての例である。  (国際会議)

Photocatalytic activity of barium tantalum oxynitride
T. Matsumoto, M. Sato, K. Uematsu, K. Toda
Pacifichem 2005 Abstract Book
可視光応答性の光触媒としてBaを含有するタンタル酸塩の窒化を試みた。Ba4.5La0.5Ta4O14.5N0.5/NiO (0.5 wt%) は、紫外線の照射下で水分解に対して光触媒活性を示した。これは、Ba-Ta酸窒化物光触が純水の分解に成功した初めての例である。 (国際会議)

Development of long afterglow UV emission phosphors
M. Hosoume, K. Toda, K. Uematsu, M. Sato
Pacifichem 2005 Abstract Book
Sr2Al2SiO7:Ce3+の発光ピークは、Ce3+の4f → 5d遷移に基づき、紫外領域 (387 nmのメインピーク)にある。この蛍光体を330 nmで励起したとき、Sr2Al2SiO7:Ce3+ は紫外の長残光を発する。  (国際会議)

Luminescence properties of Eu2+-activated Li2SrSiO4 as novel LED yellow phosphor
Y. Ito, M. Kawamoto, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
Pacifichem 2005 Abstract Book
Li2SrSiO4:Eu2+蛍光体は、可視光(400〜480 nm)の励起の下で、570 nmの黄色の発光を示す。発光強度は, 現行のYAG:Ce3+蛍光体に匹敵する。この蛍光体は高温でも良好な熱特性を示す。  (国際会議)

Characterization of alkarine earth silicate phosphor, Ba2MgSi2O7:Eu2+
A. Komeno, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
Pacifichem 2005 Abstract Book
Ba2MgSi2O7の構造は、単結晶に対して報告されている正方晶のakermanite構造と異なり、単斜晶の対称性(C2/c No. 15)である。Ba2MgSi2O7:Eu2+は、真空紫外励起の下で比較的強い緑の発光を示す。 (国際会議)

Synthesis of flake-like TiN powder by floating-type reduction-nitridation
S. Suzuki, C. Someya, N. Saito, D. Takatashi, K. Toda, N. Hotta
Pacifichem 2005 Abstract Book
Al粉末の流動直接窒化による微細なAlN粒子の連続生産プロセスを報告する。この方法のTiO2粉末からのTiNの合成への適用も述べる。  (国際会議)

Fluidized-bed reaction of Ta2O5 powder with N2-NH3-C6H14 gas mixture
K. Hashimoto, H. Seyama, A. Ozaki, M. Oguri, K. Toda, N. Hotta
Pacifichem 2005 Abstract Book
Ta2O5粉末の流動層反応により合成したTaN粉末の形成プロセスと特性を調査した。流動層反応は、N2-NH3-C6H14もしくはN2-NH3混合ガス中で600〜1400℃そして60〜120分で行った。 (国際会議)

Colloid chemistry of oxyfluoride niobate
K. Toda, S. Kawada, A. Sugawara, K. Uematsu, M. Sato
Pacifichem 2005 Abstract Book
三次元のペロブスカイトKNbO3は層状ペロブスカイトのK2NbO3Fから剥離反応を通じて、室温の純水中において合成することが可能である。(国際会議)

Intelligent synthetic method for inorganic materials with microwave heating
M. Sato, K. Toda, K. Uematsu, A. Ochiai
Pacifichem 2005 Abstract Book
マイクロ波加熱を用いた自己完結型のYVO4:Eu3+蛍光体の固相反応を報告する。本反応において、マイクロ波の連続的な照射にもかかわらず、反応の完結と共に生成物の温度は自動的に低下する。マイクロ波の照射に伴う温度プロファイルの変化を原料の誘電特性の観点から論じる。  (国際会議)

LED蛍光体の発光特性とLEDへの応用
戸田健司
マテリアルステージ, 5, pp. 1-6 (2005)
次世代照明材料として青色または紫外LEDと蛍光体を組み合わせた白色LEDが注目されている。白色LED用蛍光体の現状と今後の開発動向について、最近のデータを中心にして概説した。(解説)

タンタル系層状ペロブスカイト化合物光触媒による水の完全分解反応
戸田健司・佐藤峰夫
光触媒 基礎・材料開発・応用(発行 エヌ・ティー・エス), pp. 332-336 (2005)
タンタル系層状ペロブスカイト化合物の光触媒特性に関する研究を、その結晶構造と電子構造と関連づけて、最近のデータを中心にして概説した。(著書)

蛍光灯・水銀灯用蛍光体
戸田健司
蛍光体の基礎及び用途別最新動向(発行 株式会社情報機構), pp. 135-144 (2005)
蛍光灯および水銀灯用蛍光体として開発された材料の特性と劣化メカニズムについて解説し、そして水銀を用いない次世代の蛍光灯用蛍光体の開発状況を最近のデータを中心にして概説した。(著書)

白色LED用蛍光体
戸田健司
高輝度LED材料のはなし(発行 日刊工業新聞社), pp. 102-125 (2005)
次世代照明材料として青色または紫外LEDと蛍光体を組み合わせた白色LEDが注目されている。最近のデータを中心にして、現状の白色LED用蛍光体の問題点と今後の開発動向について述べた。(著書)
 


2006年  ページの先頭へ

Luminescent properties of red long persistence phosphors, BaMg2Si2O7:Eu2+, Mn2+
S. Abe, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Journal of Alloys and Compounds, Vol. 408-412, pp. 911-914(2006)
赤色長残光蛍光体BaMg2Si2O7:Eu2+, Mn2+を固相反応で合成した。Eu2+のみをドープした蛍光体は400 nmのみの紫色光を、 Mn2+のみでは弱い赤色光を発する。Eu2+, Mn2+の両方をドープした蛍光体は赤色の長残光を示した。これはMn2+からEu2+へのエネルギー移動を示唆している。(論文)

Luminescence properties of long-persistence silicate phosphors
Y. Ito, A. Komeno, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Journal of Alloys and Compounds, Vol. 408-412, pp. 907-910(2006)
Ce3+およびTb3+ を共ドープしたCa0.5Sr1.5Al2SiO7蛍光体を合成した。Ce3+およびTb3+ を共ドープした蛍光体はTb3+のみをドープした蛍光体よりも発光強度が五倍以上強い。Ca0.5Sr1.5Al2SiO7:Ce3+, Tb3+は、白色の長残光を示す。(論文)

VUV phosphors in the SrO-B2O3-P2O5 ternary system
Y. Komatsu, A. Komeno, K. Toda, K. Uematsu and M. Sato
Journal of Alloys and Compounds, Vol. 408-412, pp. 903-906(2006)
真空紫外励起の下での蛍光特性を新しいホウリン酸塩化合物に対して研究した。新規な蛍光体Sr6BP5O20が比較的強い吸収バンドを短波長領域に持っている。Eu2+を賦活した蛍光体は強い青色発光を示した。輝度は、市販の青色蛍光体BaMgAl10O17:Eu2+のおよそ2.2倍である。(論文)

VUV properties of Eu-doped alkaline earth magnesium silicate
A. Komeno, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Journal of Alloys and Compounds, Vol. 408-412, pp. 871-874(2006)
高い熱消光温度を持っている青緑色蛍光体Ba2MgSi2O7:Eu2+は、合成条件や発光色の最適化なしに市販の緑色蛍光体Zn2SiO4:Mn2+の45 %の高い輝度を示す。それゆえ、Ba2MgSi2O7:Eu2+はPDPや水銀フリーランプにおける新しいVUV蛍光体としての有望な候補である。(論文)

Characterization of YVO4:Eu3+ phosphors synthesized by microwave heating method
K. Uematsu, A, Ochiai, K. Toda and M. Sato
Journal of Alloys and Compounds, Vol. 408-412, pp. 860-863(2006)
YVO 4:Eu3+蛍光体を市販の電子レンジを用いて合成した。Y2O3, V2O5とEu2O3の混合物である出発物質にマイクロ波を照射したとき150秒以内に840℃まで温度が上昇する。引き続いて、マイクロ波の連続的な照射にもかかわらず温度が急激に低下する。誘電損の測定から、V2O5がマイクロ波のエネルギーを吸収し、YVO 4:Eu3+の低い誘電損のため急激な温度低下が起きる。(論文)

Recent research and development of VUV phosphors for a mercury-free lamp
K. Toda
Journal of Alloys and Compounds, Vol. 408-412, pp. 665-668(2006)
Xe放電水銀フリーランプ用の新しい無機蛍光体の開発について述べる。新しい真空紫外用蛍光体の真空紫外光励起の下での蛍光特性と結晶構造の間の関連性を説明する。(論文)

Development of an Open-Ended Coaxial Line Probe for Measurement of Dielectric Properties of Inorganic Materials at High Temperature
K. Uematsu, J. Tsuchida, M. Sato and K. Toda
Journal of the American Ceramic Society, Vol. 89(8) pp.2638-2640(2006)
高温下で無機材料の誘電特性を測定可能な開放端同軸プローブを開発した。外部導体および内部導体にステンレス鋼、絶縁材に石英グラスウールを使用することにより、試料温度800 ℃ までの使用が可能であった。(論文)

エトリンガイトによる水溶液からのフッ化物イオンの除去
徳光俊章、佐藤健司、戸田健司、盛永博子、上松和義、佐藤峰夫
Journal of Ceramic Society of Japan, Vol. 114, pp. 729-732(2006)
アルカリ性領域に液を調整する事により、エトリンガイトを吸着剤として1 mg/lまでフッ化物イオン濃度を減少させることができた。水酸化アルミニウムに見られるようなフロック状の沈殿物を形成することもなかった。エトリンガイトによるフッ素除去方法は従来の方法のように多段階処理を行なわなくてよいため、プロセスを簡略化できるという利点がある。これらの結果から、容易に合成可能なエトリンガイトを優れたフッ素吸着剤として利用できることが確認された。(論文)

Self Assemble Synthesis of Potassium Niobate at Room Temperature
Key Engineering Materials, Vol. 320, pp. 7-10(2006)
K. Toda, A. Sugawara, K. Uematsu, M. Sato and M. Osada
ニオブ酸カリウムKNbO3のナノ粒子および薄膜を溶液法により室温で作製した。前駆体溶液および試料をRamanスペクトル法により評価した。データは、ニオブ酸ナノシートが歪んだNb-O多面体から成ることを実証している。(論文)

ナノパーティクルテクノロジーハンドブック
戸田健司
ナノパーティクルテクノロジーハンドブック(発行 日刊工業新聞社), pp. 42-45, pp. 353-355, pp. 436-439 (2006)
ナノ粒子の光学的特性、光透過性およびナノ粒子新規蛍光体の開発について解説した(著書)

次世代照明における蛍光体
戸田健司
セラミックス誌, 41(8), pp. 607-611(2006)
蛍光灯を代替する照明技術としての白色LED、水銀フリーランプ、有機・無機ELにおける蛍光体の開発状況を最近のデータを中心にして概説した。(解説)
 


2007年  ページの先頭へ

透光性酸化イットリウム(Y2O3)焼結体の作製
齋藤紀子、渡邊良二、瀬山博之、戸田健司、大滝浩通、堀田憲康
Journal of the Materials Science Society of Japan Vol. 44(1) pp. 272〜277(2007)
  高い透光性を有する酸化イットリウム(Y2O3)焼結体の安価な作製条件を確立した。常圧焼結では透光性を示す焼結体は得られなかったが、大気雰囲気下での一次焼結体にBNスプレーしてHIP焼結すると、著しく粒成長し、優れた透光性を示す焼結体が得られた。(論文)

Synthesis of Blue Phosphor, BaMgAl10O17: Eu2+, from the Flash Creation Method Derived Nanopowder
A. Watanabe, T. Fukui, Y. Ito, M. Hosoume, S. Shirakura, S. Kawada, K. Toda, K. Uematsu and M.Sato
ITE LETTERS Vol. 8(1) pp. 38〜41(2007)
フラッシュクリエーション法により作製したナノ前駆体からの青色蛍光体BaMgAl10O17: Eu2+の合を報告する。アニーリングした試料は、紫外線励起の下で一般的な固相反応により合成した試料の11 %にあたる強い青色発光を示した。(論文)

Electrochemical performance of Al-doped LiMn2O4 prepared by different method in solid-state reaction
T. Kakuda, K. Uematsu, K. Toda, and M. Sato
Journal of Power Sources Vol. 16 pp. 499〜503(2007)
通常の固相反応を用いて新しく開発したウエットミリング法とドライプロセスにより合成したAlをドープしたLiMn2O4正極材を物理化学的および電気化学的に評価した。ウエットミリング法により良好なサイクル特性が得られた。(論文)

Superconductivity of Layered Perovskite Synthesized by Soft Chemistry
T. Teranishi, S. Takezawa, K. Toda, H. Ishikawa, K. Sato, K. Uematsu and M. Sato
Key Engineering Materials Vol. 350 pp. 163〜166(2007)
  還元したニオブ酸塩, MLixCa2Nb3O10 (M = Rb, K and Na)およびKNaxCa2Nb3O10をn-ブチルリチウムまたはアジ化ナトリウムとのインターカレーション反応により合成した。磁化率測定は、ナトリウムインターカレーション化合物KNaCa2Nb3O10が3.5 Kで超伝導体になることを示した。新規なリチウムインターカレーション化合物であるNa0.1Li0.8Ca2.45Nb3O10はKCa2Nb3O10型の構造を持ち、5 K以下で反磁性を示した。(論文)

Solid Chemical Reaction by Microwave Heating for the Synthesis of LiFePO4 Cathode Material
K. Uematsu, A. Ochiai, K. Toda, and M. Sato
Journal of the Ceramic Society of Japan Vol. 115(7) pp. 450〜454(2007)
原料としてFeC2O4・2H2O、LiOH・H2OおよびNH4H2PO4を用いて温度制御可能なマイクロ波加熱オーブンを用いてLiFePO4を合成した。生成物は、X-線回折、走査電子顕微鏡そして電気化学的な手法により評価した。均一で微粒子サイズの単一相のオリビンタイプLiFePO4を350℃で15分のマイクロ波加熱で合成することに成功した。通常の固相反応により合成したLiFePO4サンプルよりも高い放電容量と良好なサイクル特性を持つ正極材料が得られた。(論文)


Lanthanum-Indium Oxysulfide as a Visible Light Driven Photocatalyst for Water Splitting
K. Ogisu, A. Ishikawa, K. Teramura, K. Toda, M. Hara and K. Domen
Chemistry Letters Vol. 36(7) pp. 854〜855(2007)
  La-In系のオキシ硫化物が可視光(420 ≦ λ ≦ 480 nm)の下で犠牲剤の存在においてH2OのO2への酸化とH2への還元に対する光触媒として働くことを実証した。IrO2の担持はO2発生に対して効果的である、一方でPtはH2発生に効果的である。(論文)


Reinvestigation of layered poly[aquasodium(I) [[aquasamarium(III)]-di--aqua-3-pyridine-2,6-dicarboxylato-2-pyridine-2,6-dicarboxylato] trihydrate]
K. Ikarashi, Z. Taoyun, K. Uematsu, K. Toda and M. Sato
Acta Crystallographica Section E Vol. 63(8) pp. m2203〜m2204(2007)
標題化合物{[NaSm(C7H3NO4)2(H2O)4]・3H2O}nの結晶構造は、van AlbadaおよびReedijk[(1999), Polyhedron, 18, 1821-1824]により初めて報告されている。それを再調査し、単結晶データから確認し、水分子の役割についての正しい理解を与える。互いに他の一つの水分子と水素結合により結びつけられた、水分子の八員環は、層間空間を形成している。(論文)

Low Temperature Growth of Potassium Niobate Single Crystal
A. Iida, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
K2NbO3Fをテンプレート前駆体として用いることにより、890℃以下という低温で特異的な板状形態を持つKnbO3単結晶の育成に成功した。特異的な板状形態は、テンプレート前駆体K2NbO3Fの層状構造を維持することに起因する。(国際会議)

Photocatalytic Activity of La2BaIn2O7
H. Ishikawa, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
d10電子状態を持つInを含む層状ペロブスカイト構造La2BaIn2O7の単一相合成に成功した。水分解測定より、d10系層状ペロブスカイト酸化物では初めて水素発生を確認した。
(国際会議)

Removal of Fluorine from Waste Water by Ettringite
S. Nakajima, Y. Yamanaka, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
セメントの水和反応により生成されるエトリンガイトという水和物を用いてフッ素除去及びそのメカニズムの解明を行った。エトリンガイトをF-溶液に添加することによりF-濃度が300 mg/lから新しい排水基準である8 mg/l以下に現象させることに成功した。この方法により従来の除去方法の1/5までF-濃度を下げることができた。 (国際会議)

Low Temperature Synthesis of TiO2
K. Toda, S. Seki, Y. Ito, K. Uematsu and M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
  ルチル鉱石から合成した前駆体NaYTiO4を硝酸に溶解させ、100℃以下で蒸発乾固させることにより、ルチル型TiO2の合成に成功した。イルメナイト鉱石を原料にした場合も、Nati=1:3の前駆体は硝酸に溶解し、ルチル型酸化チタンを合成することができた。
(国際会議)

Novel Red phosphor Ba2Gd3Li3Mo8O32:Eu3+ for a LED Application
S. Seki, Y. Ito, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
希土類が一次元的に配列しているBa2Gd3Li3Mo8O32構造にEuを付活した赤色蛍光体の合成と、その蛍光特性の評価を行った。低次元構造により配列エネルギーの回遊が制限されるために、近紫外励起においての発光強度は、既存のY2O2S:Eu3+よりも約5倍高い。(国際会議)

Preparation of KNbO3 Thin Film at Room Temperature
T. Takahashi, K. Toda, K. Uematsu, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
前駆体として層状ペロブスカイト化合物K2NbO3F(KNF)の単結晶を合成し、その後室温でKNF単結晶を飽和水蒸気中に放置することで、KとFを選択的に溶出させKN薄膜を作成することに成功した。第二高調波発生強度は、KN薄膜として妥当な値を示した。(国際会議)

Deveropment of Novel Phosphor for a White LED
Y. Kawakami, A. Komeno, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
蛍光体母体として耐久性と高発光効率が期待できるアルカリ土類珪酸塩(Ba, Eu)9Sc2Si6O24を合成し、その蛍光特性を評価した。熱蛍光特性の結果より、今回合成した蛍光体はLED駆動時における高温に対して安定性が高く、白色LED用緑色蛍光体として適した材料である。(国際会議)

Application of Layered Tantalum Oxides Nanosheet to Photocatalytic Reaction
Y. Mori, H. Kibe, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
層状化合物NaRbNdTaO5は層間に大きな分子をインターカレーションすることなく水中で剥離し、コロイド溶液として存在する。このコロイド溶液を用いた水の完全分解反応により、コロイド溶液中のナノシート単独でH2の発生を確認した。(国際会議)

Photocatalytic Activity of Bismuth Layered Perovskite Treated with Acid
Y. Narumi, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
層間にBi2O2を有するAurivillius構造を持つSrBi2Ta2O9の合成と水分解反応測定を行った。層間にあるBi2O2を溶出させ、この層空間を水分解反応における反応場として利用することで、活性の向上に成功した。(国際会議)

Photocatalytic Activity of Barium Tantalum Oxynitride
T. Matsumoto, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
可視光応答化光触媒として、Ba2+を含む新規なBa5-xLaxTa4O15-xNxの合成に成功した。NiOを助触媒として担持し、水分解測定を行ったところ、UV照射下で水素発生を確認した。Bata系オキシナイトライドでの水素発生は初めてである。(国際会議)

Room Temperature Preparation of KNbO3 Nanoparticles Thin Film
K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
K2NbO3Fの粉末を合成し、水中で攪拌させることにより、KNbO3のナノ粒子を得ることに成功した。吸引ろ過後の溶液にガラス基板を浸すことで、室温でKNbO3薄膜を容易に作成することができる。(国際会議)

Synthesis and Photocatalytic Property of New Tantalate
H. Kibe, Y. Mori, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
International Symposium on Fusion Technology 2006-2007 at Niigata
NaRbLnTaO5の合成と光触媒特性を評価した。活性は希土類に強く依存しLn = Ndのとき最も高い活性を示した。助触媒なしでも水分解反応は定常的に進行し、反応前後で構造の変化を確認した。反応後は表面積が増加しさらに高い活性を示した。(国際会議)< /FONT >

Melt Synthesis and Characterization of Phosphor Materials
K. Toda, M. Hosoume, K. Uematsu, M. Sato, T. Ishigaki and M. Yoshimura
1st International Coference on Science and Technology for Advanced Ceramics
蛍光体材料Y3Al5O12:Ce3+およびSrAl2O4: Eu2+, Dy3+を合成するために新規な合成法である溶融合成法を用いた。この溶融合成法では、60秒以内に前駆体が溶融し、均一混合した試料が得られた。両化合物とも青色光の励起の下で、強い発光を示した。(国際会議)

Single Crystal Growth of KNbO3 at Low Temperature
K. Toda, A. Iidat. Takahashi, K. Uematsu, M. Sato, Y. Noguchi and M. Miyayama
The 16th IEEE International Symposium on the Applications of Ferroelectrics
KNbO3の板状単結晶を層状ペロブスカイトの前駆体K2NbO3Fから890°Cで成長させた。板状の形態を持つK2NbO3F単結晶はテンプレート前駆体として790°Cで得た。800°C以上でKとF成分はK2NbO3Fから除去され、板状のKNbO3単結晶が形成される。
(国際会議)

Melt Synthesis and Morphology Control of phosphor Materials
K. Toda, M. Hosoume, K. Uematsu, M. Sato, T. Ishigaki, M. Yoshimura
ISAMAP 2007 in Niigata
蛍光体の新たな合成法として溶融法に着目した。溶融法の特徴として、蛍光体表面の粗さと結晶性の改善が期待できること、原料を溶融し反応性を高めることによる単一相の蛍光体および母体となる複合酸化物の合成、そして、理想的な光の取り出しが可能になる球形への形態制御が期待できることが挙げられる。そこで、いくつかの既存の蛍光体を合成し、その蛍光特性を評価した。(国際会議)

Low Temperature Growth of Potassium Niobate Single Crystal
A. Iida, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
ISAMAP 2007 in Niigata
 K2NbO3Fをテンプレート前駆体として用いることにより、890℃以下という低温で特異的な板状形態を持つKnbO3単結晶の育成に成功した。特異的な板状形態は、テンプレート前駆体K2NbO3Fの層状構造を維持することに起因する。(国際会議)

New Photpcatalyst of Matal Oxides with d10 Configuration
H. Ishikawa, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
ISAMAP 2007 in Niigata
d10電子状態を持つInを含む層状ペロブスカイト構造La2BaIn2O7の単一相合成に成功した。水分解測定より、d10系層状ペロブスカイト酸化物では初めて水素発生を確認した。

Removal of Fluorine from Waste Water by Ettringite
K. Sato, H. Morinagat. Tokumitsu, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
ISAMAP 2007 in Niigata
セメントの水和反応により生成されるエトリンガイトという水和物を用いてフッ素除去及びそのメカニズムの解明を行った。エトリンガイトをF-溶液に添加することによりF-濃度が300 mg/lから新しい排水基準である8 mg/l以下に現象させることに成功した。この方法により従来の除去方法の1/5までF-濃度を下げることができた。(国際会議)

Low Temperature Synthesis of TiO2
S. Nakajima, Y. Yamanaka, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
ルチル鉱石から合成した前駆体NaYTiO4を硝酸に溶解させ、100℃以下で蒸発乾固させることにより、ルチル型TiO2の合成に成功した。イルメナイト鉱石を原料にした場合も、Nati=1:3の前駆体は硝酸に溶解し、ルチル型酸化チタンを合成することができた。(国際会議)

Synthesis of Novel Molybdate phosphor
S. Seki, Y. Ito, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
ISAMAP 2007 in Niigata
希土類が一次元的に配列しているBa2Gd3Li3Mo8O32構造にEuを付活した赤色蛍光体の合成と、その蛍光特性の評価を行った。低次元構造により配列エネルギーの回遊が制限されるために、近紫外励起においての発光強度は、既存のY2O2S:Eu3+よりも約4倍高い。(国際会議)

Preparation of KNbO3 Thin Film aT Room Temperature
T. Takahashi, K. Toda, K. Uematsu, M. Sato
前駆体として層状ペロブスカイト化合物K2NbO3F(KNF)の単結晶を合成し、その後室温でKNF単結晶を飽和水蒸気中に放置することで、KとFを選択的に溶出させKN薄膜を作成することに成功した。第二高調波発生強度は、KN薄膜として妥当な値を示した。(国際会議)

Deveropment of Novel phosphor for a White LED
Y. Kawakami, A. Komeno, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
蛍光体母体として耐久性と高発光効率が期待できるアルカリ土類珪酸塩(Ba,Eu)9Sc2Si6O24を合成し、その蛍光特性を評価した。熱蛍光特性の結果より、今回合成した蛍光体はLED駆動時における高温に対して安定性が高く、白色LED用緑色蛍光体として適した材料である。
(国際会議)

Application of Layered Tantalum Oxides Nanosheet to Photocatalytic Reaction
Y. Mori, H. Kibe, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
ISAMAP 2007 in Niigata
層状化合物NaRbNdTaO5は層間に大きな分子をインターカレーションすることなく水中で剥離し、コロイド溶液として存在する。このコロイド溶液を用いた水の完全分解反応により、コロイド溶液中のナノシート単独でH2の発生を確認した。(国際会議)

Photocatalytic Activity of Bismuth Layered Perovskite Treated with Acid
Y. Narumi, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
ISAMAP 2007 in Niigata
層間にBi2O2を有するAurivillius構造を持つSrBi2Ta2O9の合成と水分解反応測定を行った。層間にあるBi2O2を溶出させ、この層空間を水分解反応における反応場として利用することで、活性の向上に成功した。(国際会議)


Synthesis of Potassium Niobate Nanoparticles and Thin Film from a Perovskite Nanosheet at Room Temperature
K. Toda, A. Iidat. Takahashi, K. Uematsu and M. Sato
ICE2007 (Internationla Conference on Electroceramics)
ナノ粒子、板状単結晶そして薄膜を作製するための前駆体として層状ペロブスカイトK2NbO3Fに着目した。K2NbO3Fは水中での攪拌操作や低温での焼成により容易にカリウムイオンとフッ素イオンを脱離するという性質がある。この性質を用いてKNbO3ナノ粒子を得ることに成功し、また室温での結晶性KNbO3薄膜の形成に成功した。(国際会議)


Synthesis of Nano Phosphor using the Flash Creation Method
K. Toda, K. Uematsu, M. Sato, A. Watanabe and T. Fukui
14th Asian Symposium on Ecotechnology
フラッシュクリエーション法により作製したナノ前駆体からの青色蛍光体BaMgAl10O17: Eu2+およびCaMgSi2O6:Eu2+の合成を報告する。合成を報告する。アニーリングした試料は、紫外線励起の下で一般的な固相反応により合成した試料よりも強い青色発光を示した。(国際会議)

Melt synthesis and characterization of LED phosphors
K. Toda, M. Hosoume, S. Shirakura, S. kawada,
K. Uematsu, M. Sato, T. Ishigaki and M. Yoshimura
First International Conference on White LEDs and Solid State Lighting
蛍光体の新たな合成法として溶融法に着目した。溶融法の特徴として、蛍光体表面の粗さと結晶性の改善が期待できること、原料を溶融し反応性を高めることによる単一相の蛍光体および母体となる複合酸化物の合成、そして、理想的な光の取り出しが可能になる球形への形態制御が期待できることが挙げられる。そこで、いくつかの既存の蛍光体を合成し、その蛍光特性を評価した。(国際会議)

Development of novel phosphors for a white LED
Y. Kawakami, A. Komeno, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
First International Conference on White LEDs and Solid State Lighting
母体結晶を発光イオン周囲の配位環境の観点から選択し、Eu2+の発光を結晶場分裂によって長波長へシフトさせ、LED用蛍光体の特性として求められている紫外〜青色光を吸収し発光するような蛍光体の合成を、アルカリ土類珪酸塩(Ca3Si2O7:Eu2+, Ba9Sc2Si6O24:Eu2+)に着目して行った(国際会議)

Development of high luminance phosphor by morphology control
K. Sato, Y. Ito, M. Hosoume, S. Shirakura, S. kawada,
A. Watanabe, T. Fukui, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
First International Conference on White LEDs and Solid State Lighting
フラッシュクリエーション法(FCM)により、青色蛍光体として知られているBaMgAl10O17: Eu2+とCaMgSi2O6 : Eu2+の2つの蛍光体の合成を行った。ナノ前駆体を焼成後、アニーリングすることにより、紫外線励起の下で一般的な固相反応を用いて合成した試料よりも強い青色発光を示した。(国際会議)

Novel red phosphors for a white LED
S. Seki, Y. Ito, S. Kousaka, K. Uematsu, K. Toda, M. Sato
First International Conference on White LEDs and Solid State Lighting
近紫外LEDを用いて光の3原色である赤、緑、青の3種類の蛍光体を励起する3波長型の白色LEDは、各々の蛍光体の輝度を比較すると、赤色蛍光体は、他の緑、青の蛍光体の輝度よりも低い為、これに変わる新規の赤色蛍光体(Ba2Gd3Li3Mo8O32:Eu3+,Na3YSi2O7:Eu3+)の合成と、その発光特性の評価を行った。(国際会議)

次世代照明用の新規な蛍光体材料の開発
戸田健司
ケミカルエンジニヤリング(発行 化学工業社)52巻1号 37〜42頁(2007)
  蛍光灯を代替する照明技術としての白色LED、水銀フリーランプ(希ガス蛍光ランプ)における蛍光体の開発状況を最近のデータおよび新潟大学グループで開発された新規材料を中心にして解説した。(著書)

表示・ディスプレイと照明のための材料−発光と蛍光
戸田健司
現代無機材料科学(発行 化学同人) 59〜74頁(2007)
表示・ディスプレイと照明のために用いられている蛍光体の発光原理とその応用について解説した。
(著書)

100℃以下での酸化チタンの結晶化
戸田健司・上松和義・佐藤峰夫
リガクジャーナル, 38巻1号 14〜18頁(発行 株式会社リガク)(2007)
層状ペロブスカイト型化合物であるNaLnTiO4(Ln = 希土類)を用い、硝酸に溶解させ様々な処理を行うことで、酸化チタンを低温で得るプロセスの開発を試みた。このプロセスは、ルチル鉱石からの高純度酸化チタンの精製にも適用可能である。(著書)

水分解光触媒の結晶化学と光触媒活性の相関
戸田健司
会報光触媒 (発行 光機能材料研究会) 92〜99頁(2007)
 最近開発された種々の光触媒材料の結晶学的な特徴について考察した。配位多面体の歪み、層状構造、層間の水和、ローカルなオーダリングの可能性のような構造の特異性と光触媒活性の関連について解説した。(著書)

白色LED用蛍光体の発光特性と製造方法
戸田健司
最新LED部材の開発 (発行 技術情報協会) 163〜187頁(2007)
白色LED用蛍光体の基本的な発光原理、現在用いられている材料の蛍光特性およびその製造方法と特性評価について解説した。(著書)

新規な希土類蛍光体の開発
戸田健司
化学工業 (発行 化学工業社) 31〜35頁(2007)
最近の希土類蛍光体の開発状況を解説した。蛍光灯とCRTディスプレイが中心であった過去と異なり、現在では多様化した励起手段に適応できる新規な蛍光体の開発が要求されている。(著書)

次世代照明における蛍光体
戸田健司・佐藤峰夫
月刊ディスプレイ(発行 (株)テクノタイムズ社) 13巻11号 19〜23頁(2007)
水銀フリーの次世代照明として有望である白色LEDおよび希ガス蛍光ランプ用蛍光体の開発状況を概説した。(著書)

Optical property of nanoparticle
K.Toda
Nanoparticle Technology Handbook(発行 Elsevier)  45〜48頁(2007)
 ナノ粒子の光学的特性を、バンド構造の観点から論じ、光学特性の最近の測定法の進歩について解説する。(著書)

Transparency of nanoparticle
K.Toda
Nanoparticle Technology Handbook(発行 Elsevier) 372〜374頁(2007)
ナノ粒子の光透過性について電子構造から論じる。金属における電磁波の吸収はプラズマ振動に関連している。透明であるには散乱を抑制する必要があり、その測定および理論的取り扱いについて解説する。(著書)

Development of New Phosphors
K.Toda
Nanoparticle Technology Handbook (発行 Elsevier) 464〜467頁(2007)
ナノ蛍光体の最近の開発動向についてレビューする。希土類蛍光体においてナノ粒子化による発光効率の上昇は見られず、プロッセッシングの開発が重要になっている。(著書)

高演色化に向けたLED蛍光体材料
戸田健司
デジタル画像における色再現・質感表現技術 (発行 技術情報協会) 291〜307頁(2007)
蛍光体は、白色LEDの演色性に大きく影響する。色再現性を重視したLED用蛍光体の最近の開発動向について、基本的な発光原理、現在用いられている材料の蛍光特性およびその製造方法と特性評価を含めて詳細に解説した。(著書)

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